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Q&A

電気の種類と作り方

——電気ってどうやって作るの?

電気にはいくつかの作り方があります。
今の日本でおよそ80パーセントを占めるのが「火力発電」。
石油や石炭を燃やして蒸気をつくり、その勢いで羽根車を回し、電気をつくります。

2つ目の作り方として、「原子力発電」があります。これは核分裂を起こしてエネルギーを産み、発生した熱で蒸気を作って羽根車を回して電気をつくる方法です。

3つ目、その他のつくり方として、太陽の光をそのまま電気のエネルギーに変える「太陽光発電」、風の力で風車のような大きな羽車を回してつくる「風力発電」、温泉のような地中から沸く温水を使う「地力発電」、使わなくなった木くずを燃やしたり、家畜の糞や尿を発酵させてメタンガスをつくって燃やしたりする「バイオマス発電」などがあります。

小学生が大学の先生に質問

さらに、まだ研究段階のものとして、海の波や潮の満ち引きを利用する「波力発電」や「潮力発電」があります。

3つ目に紹介したようなつくり方のものは、自然のエネルギーをそのまま使うもので、どこででも作れて、なくならないことから「再生可能エネルギー」と呼ばれています。

電気の運ばれ方

——停電が起こったら、どうするの?

つくった電気はどうやって家までやってくるの

いろいろなつくり方を紹介しましたが、どれも「発電所」でつくられます。発電所でつくられた電気は、電線を伝ってみんなの家に運ばれます。

ただし、発電所でつくった電気は27〜50万ボルトもある電圧の高い電気です。そのまま運ぶと、触ったときに人や動物が感電して死んでしまったり、雷が落ちた時に火事が起こったりして危険なので、電圧を下げて運びます。

電圧を下げるために電気は何度か「変電所」を通過します。変電所を通過するごとに、たとえば15万ボルト、6万ボルト、2万2000ボルトのように電圧が下がります。そして、みんなの家の近くの電線を通るときには6600ボルトぐらい。最後に、電柱に設置されている「トランス」という機械を通り、みんなの家に届く電圧は100ボルトです。

小学生が大学の先生に質問

節電のメリット

——どうして電気を節約しないといけないの?

電気を節約することを「節電」と言いますが、節電には二つの目的があります。

一つは、電気代の節約。電気を使うために支払う電気代は使えば使うほど高くなるので、節電をすることで、電気代を安くおさえられます。

もう一つは、社会全体のことを考えて、「地球温暖化」を防ぐためです。最初に説明したように、日本では8割の電気を石油や石炭を燃やしてつくっています。その際に出る二酸化炭素が地球温暖化の原因になっています。みんなが電気を節約することで二酸化炭素を減らし、地球温暖化の防止につなげられるのです。

こう言うとみんなは、再生エネルギーなら大丈夫だと思うかもしれませんが、そうとは言えません。再生エネルギーをつくるときには二酸化炭素は生じませんが、再生エネルギーをつくる設備をつくるために二酸化炭素を出してしまいます。地球温暖化を防ぐために、地球に暮らすみんなが節電を心掛けることが大切なのです。

小学生が大学の先生に質問

手嶋進(てしま・すすむ)
基盤教育機構准教授。CUCエネルギー株式会社取締役。外資系コンサルティング会社勤務後、IT、Web解析など複数のベンチャー企業の役員として事業拡大に貢献。2015年から千葉商科大学、学長プロジェクト4のメンバーとして「自然エネルギー100%大学」をめざし、環境・エネルギー分野の研究、活動に携わっている。

この記事に関するSDGs(持続可能な開発目標)

SDGs目標7エネルギーをみんなに そしてクリーンにSDGs目標11住み続けられるまちづくりをSDGs目標12つくる責任 つかう責任SDGs目標13気候変動に具体的な対策を
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