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気候戦士

2019年11月20日、ユナイテッドピープル株式会社と共催で、気候変動を止めようと奮闘する活動家たちに密着したドキュメンタリー映画『気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ~』の特別試写会を開催しました。上映後は、カール-A・フェヒナー監督と原科幸彦学長が登壇。SDGs(※Sustainable Development Goals。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」)をテーマに対談を行いました。

『気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ~』
気候変動を止める気候活動家たちの挑戦に密着したドキュメンタリー。温室効果ガスの削減に向けて米国政府を提訴した17歳の米国人活動家や、再生可能エネルギー普及に取り組む研究家などの姿を追う。ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)、横浜シネマリン(横浜市中区)で公開中、全国で順次公開予定。
http://unitedpeople.jp/climate/

映画を観終えた来場者にフェヒナー監督は「今、世界は気候変動というとてつもない脅威にさらされています。これは紛れもない事実であり、皆さんも理解されているでしょう。しかし、パニックになる必要はありません。一人ひとりが人間として何を望むのかを改めて考えてみてほしいです」と語りかけました。

気候戦士

監督は続けて、「我が国ドイツは、国民の環境意識が高まっています。現在、国内消費エネルギーの約43%が再生可能エネルギー。首相から2022年までに原子力発電を完全撤廃することも発表されました。

一方で、アメリカはパリ協定(※地球温暖化防止に関するルールを定めた国際的枠組み)からの脱退や石炭産業復活を打ち出すなど時代に逆行する動きをみせています」と、環境問題に対する世界各国の取り組みの現状を説明。

これを受けて、原科学長が日本の現状について、「近年多発している台風や大雨の被害により、ようやく多くの人が温暖化がどれだけ深刻な状況であるかを理解し、危機感を持ったはずです。CO2を輩出しない再生可能エネルギーで脱酸素社会を実現していかなければなりません」と話しました。

気候戦士

フェヒナー監督は、本学の「自然エネルギー100%大学(※大学所有のメガソーラー発電所などの発電量と大学の総エネルギー使用量を同量にするもので、日本国内の大学で初の試みとして挑戦している)」の取り組みを称賛。さらに「日本の再生可能エネルギーは水力発電が中心ですが、風力発電など他の再生可能エネルギーにもまだ成長の見込みがあると感じています」と日本の再生可能エネルギー発電への期待感を表しました。

イベントには、本学の学生団体「SONE(Student Organization for Natural Energy)」のリーダーで、省エネ行動の啓発を行う内山大河さんや、グローバル気候マーチを主催する「Friday For Future Tokyo」オーガナイザーの宮﨑紗矢香さん(立教大学)など、環境への関心が高い学生が多く来場。

監督は、「若者たちは人々のために今自分は何をすべきかを、まっすぐな目で見据えていますよね。ドイツが脱原発を実現できたのは、約50年間国民の反対運動が途切れなかったから。活動の根を絶やさないことが大切です」とエールを送りました。

気候戦士

対談を終えた原科学長が、「本学は電力においては自然エネルギー100%を達成し、次はガスでの100%を目指しています。このノウハウを他の大学や地域へも広めていきたいです」と今後の展望を述べると、 フェヒナー監督は「日本は世界からお手本とされている国。それは、広島や長崎への原爆投下、福島第一原発の事故など、様々な被害を受けてもなお経済的発展を続けており、また礼儀正しく物腰柔らかな国民性だからです。そのような国が、今後どのように変化していくか、大きな注目を集めるでしょう」とコメント。会場から大きな拍手が起こり、イベントは終了となりました。

カール-A・フェヒナー
映画監督。25年以上にわたって、気候変動問題を追っている。2010年に再生可能エネルギーをテーマにしたドキュメンタリー映画『第4の革命-エネルギー・デモクラシー』で初めて監督を務めた。この映画はドイツで13万人を動員し、同年ドイツで最も観られたドキュメンタリー映画となった。『気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ~』は監督として3作目の作品。

この記事に関するSDGs(持続可能な開発目標)

SDGs目標7エネルギーをみんなに そしてクリーンにSDGs目標11住み続けられるまちづくりをSDGs目標12つくる責任 つかう責任SDGs目標13気候変動に具体的な対策を
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