——チョコレートが食べられるのは?
チョコレートが好きですか?
もちろん、苦手な人もいるだろうけど、たいていの人は好きでしょう。では、チョコレートがどうやって作られるか考えたことありますか?
リンゴのように木からとれると思う人はいないだろうけど、考えたことはないかな。チョコレートはカカオ豆から作ります。ただ、カカオ豆そのものは甘くないので、豆をすりつぶして、砂糖やミルクを加えて、甘いチョコレートの味を作り出します。ですので、チョコレートはカカオ豆から出来ているといえます。
——英語とチョコレートはなぜむすびつくの?
英語のしつ問なのに、なぜチョコレートの話をするかというと、カカオ豆は日本では育たないからです。だから、カカオ豆を日本以外の国から売ってもらわないと、みんなはチョコレートが食べられないかもしれません。
では、どこから買うのでしょう。世界地図はありますか?
あったら、アフリカを探してみましょう。アフリカには多くの国があります。その中にガーナという国があって、そこから日本はカカオ豆をたくさん買っています。
——カカオ豆を日本語で買えるかな?
カカオ豆を売りたいガーナの人々はガーナの言葉、カカオ豆を買いたい日本人は日本語が自分の言葉です。自分の国の言葉だけで話したら、おたがいに、相手の言っていることがわからないので、取り引きがうまくいきません。
このように、日本にないものをほかの国から買ってくる場合に、相手に、自分が言いたいことを分かってもらうための工夫が必要です。
——では、英語の役わりは何?
カカオ豆だけではなく、日本は、世界の国から、バナナ、コーヒー、ガソリンなどいろいろなものを買っています。それらを買う場合に、必ずしも、日本語が話せたり、日本人でその国の言葉が話せる人がいるとはかぎりません。その時に、世界の人がわかり合えるようにしてくれる言葉が、多くの国で使われている英語です。
あなたの身の回りを見てみると、カタカナで書かれる物がありますね。ハンバーガー、アイスクリーム、ソファ、ボール、ゲームなど、これらの多くは日本でも作られていますが、もともとは、日本以外の国で生まれたものです。
多くの場合は、私たちのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさん、それより前の人たちが、英語を使っていいものを知り、日本に持ち込んで、皆さんが使えるように広めていったのです。
このように、英語は、たがいの言葉だけでは通じない人とつながることが出来る役わりを果たします。また、ここに書いたのは英語が話せた方がいい点の一つです。じっさいは、もっとたくさんあります。ですので、あなたも英語をしっかり学んで、いろいろな国の人と分かりあって、より良い世界にするために役に立とうではありませんか。
酒井志延(さかい・しえん)
商経学部教授。専門は外国語教育。著書『"先生"のための小学校英語の知恵袋—現場の「?」に困らないためにー』(くろしお出版)は、英語に対する小学生からの素朴な疑問に一つひとつ丁寧に答える内容で、先生必携の一冊。そのほか、『英語教師の成長』(大修館書店)、『世界と日本の小学校の英語教育』(明石書店)など著書多数。
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