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インタビュー

SDGsやCSRに対する姿勢が問われる今、日本企業・団体はそれらにどう取り組んでいるのでしょうか。MIRAI Timesでは、SDGsやCSRに取り組む企業・団体の事例を連載でご紹介します。
具体的な取り組み内容について、千葉商科大学の学生記者が取材しました。

シリーズ第1弾は、「オイシックス・ラ・大地株式会社」。取材に応じていただいたのは、同社の総合マーケティング本部ソーシャルコミュニケーション部にて、部長 兼 広報室室長を務める大熊拓夢さんです。

オイシックス・ラ・大地株式会社訪問

女性の活躍促進と食品ロスの削減につながる「KitOisix」

学生記者:まず、簡単に御社の事業概要について教えてください。

大熊さん:私たちオイシックス・ラ・大地は、オーガニック食材(有機野菜)や減農薬野菜、無添加加工食品といった自然派食品を、インターネットやカタログを用いて消費者に直接販売する事業を展開しています。

学生記者:御社の事業の中で、SDGsやCSRを意識されている部分はありますか。

大熊さん:もちろんあります。たとえば、調理に必要な食材と写真付きのレシピが付録されたミールキット「Kit Oisix」です。現在、日本では共働きが増加し、料理のための時間を作れない家庭が増えています。この問題を解決するため、簡単に料理ができ、なおかつ栄養価も高い「Kit Oisix」を開発しました。

これを使うと、料理時間を短縮することができ、子どもと接する時間を増やせます。また、子どもにとっても、電子レンジで解凍するだけの冷凍食品より、手の加わった料理の方が嬉しく感じることもあるでしょう。このように「Kit Oisix」は、子育て支援や家族の絆を深めることに貢献している商品だと言えます。

学生記者:料理にかかる手間の削減は、SDGsに掲げる「女性の社会進出」を後押しすることにもつながりますね。

オイシックス・ラ・大地株式会社訪問

大熊さん:そうですね。加えて、「Kit Oisix」には料理に必要な材料を必要な分量だけセットしているので、食品ロスの削減にも貢献できます。日本で発生している食品ロスは、年間643万トンとも言われています。

私たちの身近にある大きな課題だと言えるでしょう。私たちは「Kit Oisix」を社会へと普及させることで、食品ロスの削減につなげていきたいと考えています。

地方と都市の格差是正と高齢者支援になる「移動スーパーとくし丸」

大熊さん:また、当社の子会社、株式会社とくし丸の運営する「移動スーパーとくし丸」も、社会課題を解決する事業のひとつです。過疎化の進む地方には、「近隣にスーパーがない」「高齢でスーパーに行けない」などの理由から“買い物難民”になっている人たちが数多くいらっしゃいます。

そうした人たちに向けて、軽トラックに400品目以上を載せ、玄関先まで出向いて販売する移動販売事業を展開しています。

学生記者:移動販売は多くの高齢者の助けになりそうです。

オイシックス・ラ・大地株式会社訪問

「TABLE FOR TWO」で飢餓問題、肥満・生活習慣病対策にも貢献

学生記者:御社は、第3回ジャパンSDGsアワードを受賞した「TABLE FOR TWO」にも参画されていると聞きました。

大熊さん:よくご存じですね。「TABLE FOR TWO」は、先進国に住む人たちがヘルシーな認定商品を選ぶことで、自動的に途上国の子どもたちに学校給食を届けられる日本発のプログラムです。

当社取扱い商品の中の対象商品をご購入いただくと、売上の3%を「TABLE FOR TWO」を通じて、途上国に寄付することができます。途上国の飢餓と先進国の肥満や生活習慣病を、同時に解決できる取り組みとして、高く評価されています。

オイシックス・ラ・大地株式会社訪問

このほかにも、東日本大震災の際には、被害を受けた食品産業の長期的な支援を行いました。また、電気を消してスローな夜を過ごすことにより、環境や社会問題に考えを深める「100万人のキャンドルナイト」関連のイベントを当社主催で実施しています。

今後も引き続き、持続可能な社会の実現に向けて、様々な取り組みにチャレンジしていく考えです。

学生記者:最後に、大熊さんご自身が感じる「仕事のやりがい」について教えてください。

大熊さん:私たちの提供する商品を通じて、社会問題を解決できていることにやりがいを感じます。「Kit Oisix」に対して、子育てとの両立に苦労されている親御さんから、感謝の言葉やラブレターをいただくこともあります。

お客様の役に立つことができ、社会にとっても良い。後ろめたさのないビジネスに取り組めることが、この仕事の大きな魅力ですね。

学生記者:ありがとうございました。

オイシックス・ラ・大地株式会社訪問

企業プロフィール
オイシックス・ラ・大地株式会社は、有機野菜宅配市場でトップ3を占めていた3社(オイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや)の統合により誕生した企業。前身の「オイシックス」は、2000年に自然派食品のEC販売からスタートし、子育て世代をメイン顧客として順調に事業を伸ばしてきた。2017年に、自然派食品のカタログ販売に強みを持つ「大地を守る会」と経営統合。さらに2018年、同業である「らでぃっしゅぼーや」を統合した。現在は3社の強みを活かし、さらなる事業の拡大を目指している。

この記事に関するSDGs(持続可能な開発目標)

SDGs目標1貧困をなくそうSDGs目標2飢餓をゼロにSDGs目標3すべての人に健康と福祉をSDGs目標5ジェンダー平等を実現しようSDGs目標10人や国の不平等をなくそうSDGs目標12つくる責任 つかう責任SDGs目標17パートナーシップで目標を達成しよう
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