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コラム

今回は、フェアトレードコーヒーについてご紹介していきます。
家で、オフィスで、コーヒーショップで。わたしたちが日々口にするコーヒーの代金のうち、どれくらいが、遠い国々の農園で働くコーヒー生産者の取り分になっているのでしょうか。それを考えることが、フェアトレードコーヒーのテーマです。

The University DININGではフェアトレードコーヒーを提供

The University DINING

千葉商科大学の学食「The University DINING」では、2019年9月から「フェアトレードコーヒー」を採用しました。酸味と苦みのバランスが良く香りも味わいも深くて豊かなコーヒーが大変好評です。

国際フェアトレード認証ラベル

学食では淹れたてのコーヒーのほか、コーヒー豆の販売もしています。 パッケージにはマークが表示されています。このマークは、「フェアトレード認証」コーヒーであることの表示です。フェアトレードコーヒーは、コーヒー豆を適正な価格で購入することなどで、コーヒー生産者や地域を支援しています。

コーヒー栽培の持続可能性が危うい!? 世界のコーヒー生産と消費の事情

フェアトレードコーヒーとはどんなコーヒーでしょうか。それを知るために、まず世界のコーヒー事情を確認します。

コーヒー豆を採る「コーヒーノキ(コーヒーの木)」が育つのは、年間を通じて平均20℃程度の温かさ、適度な降水量があり、雨季と乾季がある地域です。このような条件を満たすコーヒー栽培に適した地域は、地球の赤道を中心として、北回帰線と南回帰線にはさまれた熱帯地方の山間地に集中しています。このエリアを「コーヒーベルト」と呼んでいます。

世界では、アジア、中南米、アフリカなどが主なコーヒーの生産地です。各国のコーヒー生産国とその量は以下の通りです。

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出典 http://www.ico.org/

これを見ると、発展途上国が多いことがわかると思います。ブラジル、ベトナム、インドネシアなど近年成長市場として注目を集める新興国もありますが、コーヒー農園で働く労働者は国のなかでも低所得者層ということが多く、貧困の状態にある人もいます。一方発展途上国ではコーヒーが国の主要な産業となっている例もあります。

では、世界のコーヒー消費はどうなっているでしょうか。

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出典 http://www.ico.org/

EU、アメリカ、そして日本の消費が多いです。日本は世界有数のコーヒー消費大国であることがわかります。

コーヒーは食事にもリラックスタイムに欠かせない飲料として、世界全体の消費量が増え続けています。特に、中国の需要が今後急増することが予想されます。しかし今後、需要に見合う供給量が確保できないおそれもあるのです。

コーヒー栽培のための自然条件を満たす土地は限られていますが、コーヒーベルト地帯では地球温暖化の影響でコーヒーが栽培できなくなる農地もあります。また、コーヒーの価格の不安定さで生活が安定しないため、生産を続けることができない農園もあります。

フェアトレードは、このような問題についても解決の方向に導いていける、有効な手段です。

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コーヒー好きなら知っておきたい、フェアトレードコーヒー3つのメリット

わたしたちが日々飲むコーヒーは、コンビニで買えば一杯100円、カフェでは300円前後。コーヒー豆やインスタントコーヒーを購入して家で飲めば20円~60円程度と、さらに安価です。

最終商品として店頭に並ぶコーヒーの多くは、原材料はコーヒー豆のみですから、販売価格と原価の価格差がはっきりしています。カフェで一杯300円のコーヒーを飲むとき、生産者の取り分はわずか1%の3円程度か、それ以下になることもあります。

さらにもうひとつ、生産者を脅かすのがコーヒー相場の下落です。特に2000年代初頭のコーヒー価格の暴落は「コーヒー危機」と呼ばれ、生産者の収入が大幅に減少し相当な貧困に直面することもありました。

こうした状況を改善する試みがフェアトレードコーヒーです。生産者からコーヒーを市場価格より高く、また長期的な契約で購入することで、生産者を支援しますが、それだけではありません。長期的に見れば持続可能なコーヒー生産に大きく寄与しています。

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フェアトレードコーヒーのメリットとは

フェアトレードコーヒーのメリットは以下の通りです。

コーヒー農園の労働者の生活を安定させ、離職者を減らす

2000年頃のコーヒー危機では多くのコーヒー労働者が生活できなくなり農園を離れました。フェアトレードは生産者にあらかじめ取り決めた価格を支払います。また、「フェアトレード・プレミアム」という別途支払う支援金により、コーヒーの生産現場の生活環境改善をサポートします。具体的には、水道・学校・病院などを整備、建設しています。

コーヒー栽培に適した自然環境を保全する

コーヒー栽培に適した自然条件は限定されています。

  1. 北回帰線~南回帰線内の「コーヒーベルト」に位置する
  2. 年間2000ミリ前後の降水量
  3. 雨季と乾季があり、一日のうちにも寒暖の差がある

このような自然に恵まれた土地が、地球温暖化や森林の伐採によって減少すると予測されています。また、コーヒー栽培で農園を過剰に使用することで、現在あるコーヒー農園の土壌がやせてしまう現象も起きています。こうした問題を回避し、適切に農園を管理して持続可能な運営をするため、フェアトレードが役立っています。

コーヒーの付加価値を高める

フェアトレードでは生産者の生活が安定するので、最新技術の習得や品種改良が可能になり、質の高いコーヒーを生産できるようになります。

「スペシャリティコーヒー」とは、付加価値が高いコーヒーのこと。今までのカフェメニューでは、コーヒーの種類として「ブラジル」「コロンビア」「グアテマラ」のような国名が多かったのが、最近は「××農園」のように、地域の名前を冠した銘柄が増えてきたことに気づいた方も多いと思います。香りと味わいのよさに加え、有機栽培などの安全性などで差別化したコーヒーは高い単価で売れるし、市場相場が下落しても影響を最小限に抑えることができます。

スペシャリティコーヒーは消費者のニーズから生まれた考え方ですが、フェアトレードのしくみにより、産地ごとの特色で差別化した「スペシャリティコーヒー」を届けることが可能になってきています。

フェアトレードコーヒーは通常、一般的なコーヒーよりも生産者価格で4割程度割高というデータがありますので、販売価格も割高となります。しかし、フェアトレードコーヒーを買うことによって、上記のようにコーヒー農園の将来を守れるし、特別な味に出会えるということならば、その価格を支払うだけの価値があるのではないでしょうか。

身近に楽しめるフェアトレードコーヒー

日本でも多くの企業・ショップがフェアトレードコーヒーを販売しています。
そのいくつかをご紹介します。

スターバックス コーヒー ジャパン

スターバックス コーヒー ジャパンは2002年、フェアトレードコーヒーの販売をスタートしました。 その後、よりクオリティの高いコーヒーを提供するためにコーヒー豆の仕入れ先を選定するにあたり、2004年からはフェアトレードに加えて独自の原料調達基準「C.A.F.E.プラクティス」を導入。2015年より、購入するすべてのコーヒー豆の99%が「独自基準」「フェアトレード」「その他の認証プログラム」のいずれかの基準を満たす調達を実現しています。また、毎月20日を「Ethically Connecting Day ~エシカルなコーヒーの日~」とし、生産地とのつながりを感じながらコーヒーを楽しむ機会を提供しています。

  • 気候変動に積極的に挑むコーヒー生産地から届いたシングルオリジンコーヒー「スターバックス® コロンビア サンタンデール」を発売
  • コーヒーの倫理的な調達を考える「99キャンペーン」を実施

(2020年9月のプレスリリースより引用)

カルディコーヒーファーム

コーヒーと輸入食材を販売するカルディコーヒーファームでは、国際フェアトレード認証コーヒーを常時販売しています。「環境や人にやさしいコーヒー」を常にバリエーション豊富にそろえています。

小川珈琲

「有機珈琲フェアトレードモカブレンド」を常時販売。エチオピアとグアテマラの有機コーヒー豆のブレンドです。

ミニストップ

コンビニエンスストアのミニストップでは店頭で販売するコーヒーのメニューとしてフェアトレードの「アメリカンコーヒー」「アイスコーヒー」「アイスカフェラテ」を提供しています。(高速道路SA・PA店舗や空港内店舗20店舗にて販売)

すき家

途上国生産者との直接取引によるフェアトレードを行っています。店内での注文のほか、レジ横でフェアトレードの東ティモール産コーヒーのドリップパックを販売しています。気軽に試してみることができそうです。

わかちあいプロジェクト

1992年から活動している国際NGO「わかちあいプロジェクト」は、フェアトレードのオンラインショップ「Fair Select」も運営しており、フェアトレードコーヒーを取り扱っています。

第3世界ショップ

第3世界ショップのフェアトレードコーヒーは、オーガニックまたは減農薬・手摘みなどの特色をそなえたものが多く、ウェブサイトでは生産者のストーリーとともに紹介されています。

ウォームハーツコーヒークラブ

「生産国への寄付」を重視してネット販売している、アフリカ・マラウイ産フェアトレード・スペシャリティコーヒー。世界の中で最貧国のひとつとされているマラウイをコーヒーで支援するサイトです。

ろばや

自家焙煎で有機栽培またはフェアトレードのコーヒーをネット・卸・店舗で販売しています。

キャンブレム グリーン珈琲焙煎所

千葉県市川市にも店舗があるコーヒー焙煎ショップ。有機栽培フェアトレードコーヒーも含めた世界のコーヒー豆を、その場で焙煎して販売しています。

以上のように、店内で飲める・買える、またはネットで買えるフェアトレードコーヒーをご紹介してきました。
でも実際には、フェアトレードコーヒーを提供している店舗はもっと多数あります。自分の住んでいる地域を探してみたら、お気に入りのフェアトレードコーヒーに出会えることもあるはずです。

「フェアトレード」のストーリーを知ってから素敵なカフェを訪れると、また新しい発見があるかもしれません。

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フェアトレード以外にもある、環境に配慮したコーヒーの認証

フェアトレード認証は厳しい基準を欧州ドイツに本部のある国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が設定しています。この認証を受けていなくても人と環境に配慮したコーヒーの調達をしていて、別の形で認証を受けているコーヒーがあります。

レインフォレスト・アライアンス認証

カエルのマークがついた「レインフォレスト・アライアンス認証」は、環境への配慮を一番に掲げる、アメリカとオランダ、日本などに拠点を置く国際的な非営利団体です。対象地域の人々の生活の向上、持続可能な農業も認証基準に含まれています。

UTZ認証

持続可能な農作物生産の基準を定めた認証で、グアテマラ在住ベルギー人コーヒー生産者とオランダ人コーヒー焙煎業者により設立されました。ヨーロッパではよく見かける赤いマークです。

有機JAS規格

JAS

農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないで、自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料および畜産物に付けられています。

コーヒーを販売する多くの企業やショップは、フェアトレード認証のほか、商品によっては上記のような認証を受けています。

また、認証マークがなくても、企業独自のフェアトレードや環境保護のプログラムに沿って製造販売したコーヒーもあります。たとえば「カルディコーヒーファーム」の場合、以下のような環境や人に配慮したコーヒーを販売しています。

  • フェアトレード認証コーヒー
  • バードフレンドリー®コーヒー
  • ドイトンコーヒー

バードフレンドリーコーヒーとは、スミソニアン渡り鳥センターの認証を受けたコーヒー、ドイトンコーヒーはタイ王室の財団が地域を支援するプロジェクトで生まれたコーヒーです。

また、スターバックスも、フェアトレード認証と自社プログラムとを併用しています。
このように、企業は自社の方針のもとで、フェアトレード認証とそれ以外の認証、独自プログラムを組み合わせていることが多いようです。

フェアトレード以外にも認証プログラムがあること、さらに認証マークがなくても環境と人に配慮した商品があるということも、覚えておきましょう。
知っていれば、環境にやさしいコーヒー選びに役立ちます。

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【まとめ】 まずはフェアトレードコーヒーを1杯、じっくりおいしく味わいましょう

今回はフェアトレードコーヒーについてご紹介しました。
フェアトレードコーヒーを飲んで生産地を応援すると、コーヒー農園の環境や働く人が守られ、これからもおいしいコーヒーが飲める未来につながります。
そのためには私たち一人ひとりの選択がとても重要です。

まずは、一杯のフェアトレードコーヒーを購入し、コーヒー農園にも思いをはせながら味わってみましょう。

この記事に関するSDGs(持続可能な開発目標)

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