MIRAI Times社会の未来を育てるウェブメディア

イベント

2019年12月20日、第7回となる千葉商科大学の公開講座が、丸の内サテライトキャンパスで行われました。「SDGsの推進とエシカル消費活動」と題された今回の講座には、学生だけでなく多くの聴講者が集まり、満員御礼。一般の方の間でも、SDGsやエシカル消費への関心が高まっていることがよくわかります。

公開講座

SDGsを意識したイトーキの働き方改革

最初に講演を行ったのは、株式会社イトーキ、管理本部CSR推進部部長の原孝章氏です。同社の働き方改革と健康経営について紹介しました。

公開講座

原孝章(はら・たかあき)
株式会社イトーキ管理本部CSR推進部部長。1988年株式会社イトーキ入社。同社営業本部に在籍し、教育市場、官公庁市場担当の営業職、市場別営業統括部長を経て、2018年より現職。

SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にある、2016年から2030年までの国際目標です。貧困、教育、ジェンダー、エネルギー、生産・消費、平和など17の項目において、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を謡っています。

主にオフィス家具や施設製品を開発・販売する株式会社イトーキでは、独自の働き方改革によって、SDGsのなかの「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」「10.人や国の不平等をなくそう」を実現すべく工夫しています。

特に注目を集めているのが、次世代ワークスタイル戦略「XORK Style」(ゾーク・スタイル)です。その特徴は、社員一人ひとりが仕事内容に合わせて働く場を自在に選択できることにあります。

仕事は分解していくと「10の活動(10アクティビティ)」になるというABW(※)の考え方を取り入れ、社員の働き方を10パターンに分け、作業の効率化を図っています。
※Activity Based Working。オランダのVELDHOEN+COMPANYが提唱したワークスタイル戦略

公開講座

例えば、1人で集中して作業するためのスペースや、2人で相談しながら作業を進めるスペース、大勢でモニターを見ながらブレストできるスペース、さらには時間を区切って休息がとれるスペースや瞑想ができるスペースなど、その細かい用途に応じた場所を設けることで、社員のモチベーション維持と作業の効率化を促進しています。

また、社員の心と身体の健康を目指すことによって、SDGsの「3.すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」を促しています。具体的には、働く人々の健康やウェルネス、快適性を保証するオフィスに与えられる「WELL認証」を獲得すべく、社内の水質浄化の徹底や、明るさだけでなく色も細かく調整できる照明の完備などを行いました。

ほかにも、全社をあげての「禁煙推進」、働きながら健康になるための環境整備と、フィットネス効果を狙ったオフィス家具の開発・導入などを行っています。

こうした様々な取り組みによって、CSR(企業の社会的責任)、ひいてはSDGsの推進に貢献しているのです。

暮らしの中でSDGsに貢献する“エシカル消費”

次に「SDGsとエシカル消費活動」と題した講演を行ったのは、株式会社FEM代表取締役の山口真奈美氏です。

公開講座

山口真奈美(やまぐち・まなみ)
株式会社FEM代表取締役、一般社団法人日本エシカル推進協議会副会長、環境ビジネス総合研究所理事長。地球環境保全および国際認証の研究、持続可能な責任ある調達とSDGs、CSR、国際認証に関するコンサルティング・教育研修や啓発活動のほか、エシカル消費の推進、環境ビジネスの普及に努める。

1970年代以降、環境問題が悪化した影響により、エコや環境対策が注目されるようになりました。

そこで、今回のキーワードとなるのが「エシカル消費」です。エシカル(ethical)とは、英語で「倫理的な」の意味で、社会や地球環境を考慮して作られたものを消費することを「エシカル消費」と表現します。

エシカル消費の具体的な例としては、買い物の際にエコバッグを持つ、食品ロスをなくす、被災地で作られた農作物やフェアトレード商品を購入する、などが挙げられます。どれも地球環境に優しく、社会や人のことを考えられた消費活動です。

公開講座

エシカル消費は、SDGsの「1.貧困をなくそう」「12.つくる責任、つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」など、様々な目標達成への貢献に直結します。山口氏は、エシカル消費の有用性について、次のように話します。

「特に日本にいると、農薬使用のものや貧困地域の児童労働によって生まれたものなどを、そうと知らずに手に取ってしまっていることが多くあります。エシカル消費を促進することで、環境汚染や貧困、不正労働などに苦しむ人々や社会を救うことにつながるのです」

では、エシカル消費活動をしていくために、私たちは何ができるのでしょうか。最も身近にできる活動としては、エコ認証ラベルのついた商品を買うこと。認証ラベルには、森林伐採のないことを示す「FSC」、漁業や養殖管理が行き届いているものにつけられる「MSC」、オーガニック繊維基準である「GOTS」「OCS」など、実に様々なものがあります。

こうした認証ラベルがついた商品、つまり、生産過程のストーリーがきちんと見えるものを選ぶことで、エシカル消費を実現することが可能になります。

エシカル消費の進んでいる国として、山口氏はスウェーデンに視察に行ったときのことを紹介しました。宿泊したホテルでは、備え付けのコーヒーや紅茶がオーガニックのものであったり、町のスーパーに並ぶ商品にも認証ラベルのついたものやフェアトレード商品が多く並んでいたりと、エシカル消費が町中に浸透していたそうです。

公開講座

「究極の理想は、認証ラベルのない世界になること。ラベルがなくても、つまりどの商品を選んでもエシカルな選択ができる世の中が一番なのは、言うまでもありません。しかし、そうでないものが混じっている現代だからこそ、持続可能かつエシカルな世の中にするためには、私たち消費者一人ひとりが賢い選択をする必要があるのです」

認証ラベルがついているものやオーガニックのものは、比較的高価であるというイメージをもたれることが多々あります。しかし、身近なスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに、手に取りやすい商品が増えてきていることも事実です。

まずは毎日の暮らしの中でできることから。皆さんも今日から無理のない範囲でエシカル消費を取り入れてみてはいかがでしょうか。

この記事に関連するSDGs

SDGs目標1SDGs目標3SDGs目標5SDGs目標8SDGs目標10SDGs目標12SDGs目標13SDGs目標14SDGs目標15SDGs目標17

関連記事