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2月22日、千葉商科大学で「CUC地域連携フォーラム」が開催されました。会場には学生だけでなく、市川市に住む多くの人々が足を運びました。

第10回となる今フォーラムの基調講演では、株式会社ウェザーニューズ陸上気象事業部セクションリーダーである瀬戸崇史氏が登壇し「観測データから見る気象激甚化の現状と未来」と題した講演を行いました。

基調講演

瀬戸崇史(せと・たかし)
株式会社ウェザーニューズ陸上気象事業部セクションリーダー。2005年茨城大学卒。在学中に気象予報士の資格を取得。

相次いだ台風被害 今後はどうなる?

千葉県では昨年、大規模な台風が複数発生し、甚大な被害を及ぼしました。9月9日に台風15号が上陸した際は、倒木や停電などの被害に見舞われたのです。このとき、複数のアメダス地点で観測史上最大風速が観測されました。

その後、10月6日に台風19号が発生すると、記録的な大雨となり、各地で河川氾濫などの被害が起こりました。このように、昨年はアメダスで観測史上1位を記録するような大雨や防風事例が多発したのです。今後も極端な気象事例が増えていくのでしょうか。

気象事例イメージ

近年の気象傾向を分析するに当たって、瀬戸さんが着目した要素は3つです。

1つは気温。1910年からとられている気温のデータを見てみると、ここ30年で夏の猛暑日が倍増し、逆に冬日が減少傾向にありました。これは、年間を通して気温が上昇傾向にあることを示しています。「気温が上がると、空気中に含まれる水蒸気量が増加します。その結果、強雨が発生しやすくなるのです」と、瀬戸さんは説明します。

そこで着目するのが、2つ目の降水量です。データを見ると、時間50mm以上の強雨の発生回数と、日100m以上の日数の両方が上昇傾向にありました。実際に、温暖化などによって気温が上昇した結果、雨量も増えているのです。

3つ目の要素は海水温。温暖化が進むと、当然海水の温度も上がります。データを見ても、それは一目瞭然です。海水温が上がると、やはり空気中に水蒸気を多く作って雲の発達を助長します。その結果、活発な雨雲が増えて台風にも影響を及ぼしている可能性があると、瀬戸さんは指摘します。

基調講演

「台風のデータを見ると、発生する数については、大きな変化はありません。しかし、1つ1つの規模が大きくなってきていることは明らかです。今後、これまで以上に大型化した台風が接近する頻度が増える可能性もあると、我々は懸念しています」

災害から身を守るために 欠かせない情報収集

では、大型化する台風とその被害から身を守るために、私たちはどのような対策をとる必要があるのでしょうか。瀬戸さんは、とにかくあらかじめ台風に備えることが大切であり、そのためには情報収集が欠かせないと話します。

「テレビやラジオに加え、気象庁のウェブサイトや、我々が提供しているお天気アプリなどを活用し、いざというときに情報が得られる準備を、日頃からしておくことが重要です」

アプリイメージ

気象庁のウェブサイトやウェザーニューズでの天気の確認に加え、例えば国土交通省のウェブサイトからは、市区町村のハザードマップにアクセスすることができます。また、住んでいる市区町村のウェブサイトを見れば、地域に特化した天気情報や防災についてのアドバイスを読むことも可能です。

まずは生活圏の情報を確認

特に大切になるのは、生活圏の防災情報を確認することです。 家や学校、会社付近の避難場所はどこでしょうか。旅行先で災害に見舞われた際、どうやって帰ってくればいいのか、どこに避難できるのか、確認できているでしょうか。こうした防災情報を知っておくことで、もしものときにも落ち着いて行動できます。

また、災害の際に知りたい情報のひとつに、交通機関の運行状況があります。これについては、JRや東京メトロといった鉄道会社や、その他バス会社、航空会社の各社ウェブサイトを確認することが大切です。

しかし、運休や遅延、欠航などの発表は間際になることが多く、これらを集約した情報サイトが確立されていないなど、いまだ課題があります。瀬戸さんは、こうした情報もウェザーニューズから今後発信できるよう取り組んでいきたいと語りました。

基調講演

備えあれば患いなし。事故や災害など、もしものときに落ち着いて行動できるように、日頃からちょっとした準備や心がけをしておくことが大切です。また、収集した情報は家族や近隣住民で共有し、地域連携を強めることで、さらに防災の意識が高まるでしょう。有事のときこそ、皆で手を取り合って被害をなくしていきたいものです。

この記事に関するSDGs(持続可能な開発目標)

SDGs目標11住み続けられるまちづくりをSDGs目標13気候変動に具体的な対策を

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