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Q&A

山火事とは?

——最近、山火事のニュースをよく見るけど、どんな火事なの?

小学生が大学の先生に質問

山火事は、森や林、野原の木や草、落ち葉などが燃えて広がっていく林野(りんや)火災のひとつです。落ち葉や枯れ枝など、「燃えやすいもの」がたくさんある森は、火がつくとたちまち燃え広がってしまいます。日本の山火事の約7割は、1月から5月に発生しています。この時期は空気がかわいていて、風も強くなりがちなので、山火事が起きやすいのです。

山火事の原因は、落雷などの自然現象もありますが、ほとんどは、たき火、畑や山の手入れのために火をつける「火入れ」、たばこの不始末などです。

山火事の数

——山火事って、世界中で増えているの?

気温が上がったり、長い日照りが続いて、大規模な山火事が起きやすくなっている地域もあれば、大草原や牧草地の広く平らな土地の草原火災が減っている地域もあります。

日本の場合、長い目で見ると、山火事の数は減ってきています。しかし2020年から2024年の5年間では、1年間の平均で約750ヘクタールもの面積(東京ドーム約160個分)が火事で失われてしまいました。

地球環境を守る活動をしている国連環境計画(UNEP)は、気候変動や人々の土地の使い方の変化によって、大規模で消火が難しい「とても大きな山火事」が、2050年までに世界で約30%、2100年までに最大約50%増える可能性があるといいます。ですから、山火事の件数だけでなく、燃えた広さ、消火にかかった日数、「とても大きな山火事」の起きる危険性などにも注目して、考えることが大切です。

消火が困難な山火事

——山火事は、なぜ消火に時間がかかるの?

原因のひとつは、「乾燥(かんそう)と強風」です。かわいた状態で、燃えた小枝や火の粉が風で飛ばされると、離れた場所からも火がつき広がり始めます。これを「飛び火」といいます。火の粉はときに、数百メートル以上も飛んでいくことがあるのです。

2025年に起きた岩手県大船渡(おおふなと)市の山火事は、2月26日に発生し、すべての火が消えたのは4月7日。なんと約1カ月半もかかりました。その間に東京ドーム約720個分、大船渡市全体のほぼ10分の1に相当する面積が焼けました。

山では消防車や消防隊員がなかなか火元に近づけない、消すための水が十分確保できない、地形が複雑、風向きが変わりやすく思いがけない方向へ燃え進むなどが、時間がかかる原因となっています。

小学生が大学の先生に質問

地球温暖化の影響

——地球温暖化と山火事は関係があるの?

地球温暖化が、直接、山火事を起こすわけではありませんが、気温が上がれば乾燥が進み、火は燃え広がりやすくなります。地域によっては温暖化により、「山火事が起きやすい季節」が長く続くこともあります。つまり温暖化は、山や森を「火がつきやすく、消しにくい状態」にしてしまうのです。

森林が燃えると、木や落ち葉、地面などに炭素として蓄えられていたものの一部が、二酸化炭素となって空気中に出されます。二酸化炭素が増えると、地球はさらに暖まりやすくなります。「温暖化で山火事が激しくなり、その山火事でさらに温暖化が進む」という悪循環(あくじゅんかん)も心配されています。

生物への影響

——山の生き物はどうなるの? 燃えちゃった森は元に戻らないの?

小学生が大学の先生に質問

火から逃げられず、命を失う動物もいます。特に、巣の中のひなや、逃げることが難しい動物は影響を受けることがあります。一方、地面の穴や倒れた木の下、水辺などに逃れて生き残る動物もいます。低い草や落ち葉が燃えた程度の火事であれば、生き残る木もあるでしょう。地中で生きのびた種や根からも、再び植物が育つでしょう。山火事が自然に繰り返されてきた場所には、火の後に芽を出しやすい植物もいます。そのような場所では、小さな火が森の世代交代を助けることがあります。

一方、強い火で広いはんいが焼けたり、同じ場所で何度も火災が起きたりすれば、森が元に戻るまでに、何十年もかかることがあります。

小学生にもできる3つのこと

——私たち小学生にもできることはありますか?

1. 山や森では、子どもだけで火を使わないことです。大人と一緒でも、たき火やバーベキューは決められた場所で行い、風の強い日や乾燥している日は中止にしましょう。火をちゃんと消したことを確認することも忘れずに。

2. 火や煙を見つけたら、安全な場所へ避難して、すぐ大人や消防に知らせてください。自分で消そうと、近づいてはいけません。

3. 山火事のニュースを見て、「どこで、どんな天気のときに、なぜ起きたのだろう」と調べるのも、山火事を防ぐことにつながる立派な学びです。同じように、森や気候について学ぶことも、温暖化の進行をおさえ、森を守るための行動につながります。

山火事は、遠い国だけの問題ではなく、私たちにも関係する問題です。だからこそ、「火の正しい使い方」、「森の適切(てきせつ)な管理」、「温暖化の進行をおさえる取り組み」を、みんなで進めていく必要があります。

著書紹介

気が泣いている『木が泣いている─日本の森でおこっていること』(岩波書店2023年刊)
世界有数の森林国、日本。その豊かな森は、かつて人の営みとともにありましたが、次第に放置され、今では厄災につながるケースも増えています。そんな現状を改善し、豊かな森を取り戻そうとする取組が、いま各地で行われ始めています。歴史をふまえ、環境問題の視点も取り込み、森と人とのよりよい未来をどう作るかを論じます。



長濱和代(ながはま・かずよ)
基盤教育機構助教。農学博士。2007年からインド・ヒマラヤ地域を訪れ、地域の人びとによる森林管理や、森と人との関わりについて研究している。日本の森林問題や環境教育にも取り組む。著書に『木が泣いている』(岩波書店)。環境探究学研究会編著『学校教育の未来を切り拓く 探究学習のすべて』(合同出版)の編集・執筆に携わった。

この記事に関するSDGs(持続可能な開発目標)

SDGs目標4質の高い教育をみんなにSDGs目標11住み続けられるまちづくりをSDGs目標13気候変動に具体的な対策をSDGs目標15陸の豊かさも守ろう
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