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Q&A

小学生が大学の先生に質問

——同じ言葉をつかうことはなか間意しきを強めます。

この問題には、なぜ友だちをあだ名でよぶのかを考えることから始めましょう。あだ名で呼ぶ人にも本名があるし、あだ名を使うなかまに入っていない人にはわかりにくいのに、なぜ、あだ名を使ってしまうのでしょうか?

また、おうちでも、おうちの方にしかわからない言葉を使うことがありませんか? ありますよね。これらの意味ですが、自分たちだけにわかる言葉を使うことによって、なかま意しきやかぞく意しきを強めているのです。

——なかま意しきを強めるとは?

地方には、方言があります。かん西べん、かご島べん、つ軽(青森)べんなどです。その地方の人が集まると、方言で話します。方言で話すと、なかま意しきをより強く持てるので、楽しいのでしょう。

しかし、同じ日本語でも、かご島べんの人とつ軽べんの人では、うまく話しが通じないこともあります。これは、きょりが遠くなればなるほど、ちがう方言の人の話は分かりにくくなるからです。つまり、話し言葉は、もともと人間がきょう力したり、楽しんだりするためのものなのです。

——外国ではどうでしょうか?

交通が発達していないむかしは、外国と日本では、きょう力したり、いっしょに楽しんだりすることはあまりありませんでした。ですので、話される言葉はちがったのです。

それどころか、日本より国土が広い、中国やインドでは、1つの国の中で、きょう力したりするかんけいがないので、多くのちがう言葉が話されています。インドでは100~200もの言葉があります。世界全体では、6,000~7,000くらいの言葉があると言われています。

小学生が大学の先生に質問

——バベルの塔(とう)って聞いたことがありますか?

バベルの塔は実話ではありません。キリスト教の『聖書』の中のお話です。言葉が多くある理由として、よく話題にされるので、知っておくといいでしょう。

むかし、人間が1つの言葉だけを話していた時代に、塔を作って神様が住む天にのぼろうという計画がまとまり、けんちくが始まりました。塔はどんどん高くなり、神様が住む天にまでとどきそうになりました。

神様はおこって、人間の言葉が同じだから、作業が進む。言葉をバラバラにしてしまおうと考えました。言葉がバラバラになると、人間はきょう力できなくなり、塔のけんせつはしっぱいしました。

この話は、事実ではありませんが、きょう力していろいろなことを進めるためには言葉は重ような道具であるということを教えてくれます。ですので、みなさんもいろいろな言葉を学ぶと、いろいろな人ときょう力でき、よりよい世界を作ることに自分を役立てることができます。

3年生から、外国語を学ぶ手始めに英語を学びますね。それをきっかけにいろいろな外国語にちょうせんしてみましょう。

酒井志延(さかい・しえん)
商経学部教授。専門は外国語教育。著書『"先生"のための小学校英語の知恵袋—現場の「?」に困らないためにー』(くろしお出版)は、英語に対する小学生からの素朴な疑問に一つひとつ丁寧に答える内容で、先生必携の一冊。そのほか、『英語教師の成長』(大修館書店)、『世界と日本の小学校の英語教育』(明石書店)など著書多数。

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