センター長コラム

本センターの発足にあたり、表記のシンポジウムを2023年9月30日に、AP日本橋ホールにて開催しました。シンポジウムのテーマは「社会科学を総合した未来のデザインにむけて」とし、千葉商科大学の今後の研究の取り組みを発信しました。

第1部では、3件の講演がありました。当センター長・寺野隆雄が「社会科学の統合化を目指して-デジタル社会実験とは-」と題して、最近の社会問題解決にあたっては、総合研究センターの目指す社会科学・自然科学を統合するアプローチが不可欠であること、そして、そのためには、社会実験をコンピュータ上で実施するデジタル社会実験が重要となることを紹介しました。ついで、「サステナビリティ研究所」所長・笹谷秀光が「共創優位を実現するSDGs経営」と題して、SDGsを活用した研究・連携・発信の重要性を論じました。最後に、「遠藤隆吉研究所」所長・趙軍が「「遠藤イズム」の醍醐味を発見する旅に出かけよう!」と題し、本学の創始者である遠藤隆吉の業績とそれを研究する意義について報告しました。

第2部では、学習院大学・名誉教授で社会学の権威である遠藤薫氏と環境省自然環境局生物多様性主流化室長・浜島直子氏をゲストに迎え、副学長・橋本隆子の司会のもと、本シンポジウム全体のテーマである「社会科学を総合した未来のデザインにむけて」について、各研究所の所長と共にパネル討論を実施しました。遠藤氏は、今後「技術の道徳化」が重要となると指摘し、また、浜島氏は国益を超えた地球益を中心として自然資本を棄損しないビジネスへの取り組みを強調しました。さらに、「経済研究所」所長・小林航、「会計教育研究所」所長・中村元彦も加わり、これからの本学の研究への期待を述べました。

これらの発表を踏まえ、今後の研究を、既存の学問分野を超えて、学内外の方々とともに進めていく所存です。


パネルディスカッションで発言する寺野総合研究センター長