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Q&A

国の税金の種類

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——国は誰からどうやってお金を集めているの?

国は「税金」という形でお金を集めています。

「税金」にはいくつか種類があって、「消費税」「所得税」「法人税」などがあります。

「消費税」は、みんなも払ったことがあると思いますが、お買い物をしたときに払う税金です。今はお買い物をした金額の10%を消費税として支払うと決められているので、100円のお買い物をしたら、10円の税金を足して、110円をお店に払います。お店の人は、この消費税を、税⾦を集めるために作られた国の役所である「税務署」に払います。

「所得税」というのは、仕事をしている人たちのお給料から払う税金です。会社の人が、従業員の人にお給料を支払うときに、あらかじめ税金の分を引いておき、税務署に払います。こういう仕組みを「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」と⾔います。

「法人税」というのは、会社がもうけた「利益」から払う税金です。 そのほかにも、お酒やたばこにかかる税金もあります。

税金の使い道

——集めたお金は何に使っているの?

では国は、こうして税金として集めたお金を何に使っているのでしょうか。国のお金の使いみちである「⽀出」を⾒てみましょう。もっとも多く使われているのが「社会保障」のお金です。

社会保障というのは、みんなが病院に行ったときにかかるお金の一部(医療費)や、おじいちゃん、おばあちゃんが安心して暮らせるように受け取るお金(年金)、働けなくなった人をサポートするお金(生活保護)などのことです。

そのほかに、「公共事業」といって、役所のような大きな建物や道路、橋などを作るお金、「教育費」といって、みんなの通っている学校で必要なものを買ったり、先生のお給料を支払ったりするお金、「防衛費」といって、国を守るためのお金などがあります。

さらに、ゴミの収集や警察、消防など、みんなの暮らしに必要なサービスにもお金が必要です。

このようなサービスは、国ではなく、県や市など地方の役所が行っていますが、国では集めた税金の一部を、地方の役所にも分けています。そうすることで、お金の少ない地域に住んでる人でも、必要なサービスをきちんと受けることができるのです。

国の借金

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——国が貧乏になるのはどんな時?

国は必要なサービスを行うために税金を集めていますが、その税金が十分に入ってこなくなったとき、国はお金のやりくりに困ってしまいます。どのようなときに、そういうことが起きるのでしょうか。

景気が悪くなると、会社の収入や利益が少なくなってしまいますので、法人税が減ります。会社の収入が減ると、従業員に支払う給料が少なくなってしまいますので、所得税も減ります。そして、従業員が受け取る給料が減ると、お買い物に使えるお金が少なくなってしまいますので、消費税も減ります。このように、景気が悪くなると、大事な税金が全部減ってしまうのです。

税金が減ると、国はお金が足りなくなります。そのようなとき、国は必要なサービスを行うために、銀行などからお金を借りてきます。国が借金をするのです。借金をすると、いずれそれを返さなくてはいけませんが、景気は悪いときもあれば、良いときもありますので、景気が悪いときに借金をして、景気が良いときにそれを返せば、問題はなさそうです。

しかし、景気が良いときに借金を返すことができないと、借金はどんどんふくらんでいきます。借金を返すために、さらに借金をすることにもなります。

借金がふくらみ過ぎてしまうと、国はみんなの暮らしに必要なサービスを提供できなくなってしまうかもしれません。そうしたことが起こらないように、将来のことを考えながら、税金や支出のことを考えていく必要があるのです。

小林航(こばやし・わたる)
政策情報学部教授。博士(経済学)。一橋大学大学院経済学研究科卒業後、財務省財務総合政策研究所で主任研究官を務め、2010年から千葉商科大学で教鞭を執っている。「日本経済論」や「地方財政論」など経済と財政に関する講義を担当。中学生の時にはじめて消費税が導入され、「みんながこれだけ嫌っているのになぜ消費税が必要なの?」という疑問を持ったことが、経済学を学び始めたきっかけ。

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