研究プロジェクト成果報告

研究代表者:中村 元彦(会計ファイナンス研究科 教授)
共同研究者 出口 弘(商経学部 教授)
      寺野 隆雄(千葉商科大学 教授)
      赤木 茅(基盤教育機構 専任講師)
      小池 聖一・パウロ(会計ファイナンス研究科 教授)
      菊地 剛正(三菱UFJ信託銀行株式会社ジュニアフェロー、MUFG資産形成研究所主任研究員)
      向井 大誠(DS・AIリサーチ・エンジニア)
      國上 真章(防衛技官)

1.研究成果の概要
本研究では、AIを中心としたITの活用により、具体的な業務に関して、どのような業務が代替可能となっているかについて調査を実施するとともに、ITでは代替ができない業務を明確にし、なぜ代替ができないのか、代替するための課題もしくは業務における人間の必要性を明らかにすることを目的としている。2024年度においては、特に中小規模の企業でも導入されているクラウド会計と呼ばれる財務会計ソフトウエアの中ではどのようにAIが使われているかを複数のソフトウエアを入手して比較検討し、ソフトウエアに依拠して効率的な業務の推進が可能な部分と、処理に際して人手による確認が必要とされる局面を明らかにした。
具体的には、クラウド会計と呼ばれる財務会計ソフトウエアにおいて、領収書等から自動で会計処理が可能との宣伝がなされているが、現実的にどこまでが可能であるかを複数のクラウド会計のソフトで実際の領収書と利用して実験するとともに、クラウド会計メーカーへのヒアリングによって、宣伝もしくはユーザーにおける期待ギャップと現実との乖離による問題点を明らかにしている。また、この問題点(AI-OCR及び仕訳作成の問題点)に関して、どのような改善が図れるか、さらに、このような自動化の動きに対応した人材育成に関する提言を行っている。

2.著書・論文・学会発表等
【著書・論文(査読なし)】
①会計学の新展開、中村元彦、20255年3月、株式会社CUCサポート、2-3インボイス制度開始後の税務における電子化の動向-デジタルインボイスと電子帳簿保存法改正を中心とした中小企業への影響の考察-
②「学会発表等」に記載の学会発表を受けて、学会誌の「中小企業会計研究」に投稿済み(小池聖一・パウロ)
【学会発表等】
「財務会計ソフトウエアでのAI導入内容の現状と展望」、中小企業会計学会第12回全国大会、2024年11月、沖縄大学(本キャンパス)、小池聖一・パウロ、中村元彦