研究プロジェクト

 日本ではルーラルツーリズム(農村における観光)発展に向けた政策が20年以上導入されているにも関わらず、現時点で国内旅行に広く普及していない。一方で、ヨーロッパではルーラルツーリズムが一般観光の一つとして普及している。本研究ではこの点に着目し、今後日本においてルーラルツーリズムが普及するための鍵としてインバウンド客利用の増加があるという仮説に立ち、彼らが日本の農村での観光をどのように評価しているかを明らかにし、今後のルーラルツーリズムの発展に向けた考察を行うのが目的である。   研究初年度では、ルーラルツーリズム先進地域であるイタリアにおいてアグリツーリズモ(農家民宿)の調査を実施し、宿泊者の動向を明らかにした。また、日本国内の実践地域である秋田県仙北市にて農家民宿の調査を実施し、実際に宿泊した日本人旅行者の評価を分析した。さらに同地を訪問するインバウンド客に向けたアンケート調査を実施している。調査は年度末まで行い、結果の分析は次年度に行う予定である。