2024年5月29日
遠藤隆吉研究所定常的プロジェクト 成果報告
究代表者 朽木 量(総合政策学部 教授)
共同研究者 内田 茂男(理事長)
石井 泰幸(サービス創造学部 教授)
枡岡 大輔(基盤教育機構 准教授)
原科 幸彦(名誉教授)
朱 全安(サイエンスアカデミー特別客員教授)
趙 軍(名誉教授)
浅沼 薫奈(サイエンスアカデミー特別客員教授)
1.研究成果の概要
2024年度は書き下しや現代語訳のない「津田沼境域記」碑の翻刻と、修練道場「生々示宇」及び「生々示」碑の研究にあたるべく調査を展開している。津田沼にあった修練道場「生々示宇」については、遠藤隆吉先生と千葉を結びつける切欠となった場所であり、生々主義哲学の基礎となる場所でもある。遠藤隆吉研究所では、「生々示宇」関連の資料の収集を行うとともに、実籾小倉公園に現存する「津田沼境域記」碑の翻刻・書き下し・現代語訳に取り組んでいる。研究の現状としては白文の碑文に返り点などを打って翻刻し、書き下し、現代語訳まで終了している。今後は、碑面の拓本を採るべく、習志野市教育委員会に許可のための働きかけを行っているところである。また、「生々示宇」の建物自体は東京の新井薬師において本堂として移築されて現存している。資料調査報告の刊行に向けて、この調査についても並行して行っている。 また、これと別に、客員研究員である浅沼薫奈先生により、『遠藤隆吉研究所 資料調査報告』第2号として「巣鴨学園 巣鴨高等商業学校一覧」が刊行された。「巣鴨学園 巣鴨高等商業学校一覧」は短いながらも、設立間もない時期の巣鴨高等商業学校の様子を伝える貴重な資料であり、資料調査報告として復刻する意義は大きい。加えて、本号所収の解題にあるように、「建学の趣旨」の文言変化についての考証、特に「気質」「気風」の相違についての論考は興味深い。今回の解題の指摘にあるように意識的に置き換えられたとすれば、遠藤の思考の変遷に迫るものとして評価すべきであろう。また、校地の位置についても、今後のさらなる研究が望まれる。以上のように、この復刻により、今後探求すべき方向性が明らかとなったともいえる。
2.著書・論文・学会発表等
【著書・論文(査読なし)】
浅沼薫奈2025年3月「巣鴨学園 巣鴨高等商業学校一覧」『遠藤隆吉研究所 資料調査報告』第2号