2015.06.15 UP

特産品販売で東日本大震災の被災地復興を支援

学生団体 ひょっこりひょうたん島

東日本大震災で被災した岩手県大槌町でのボランティア活動に参加した学生有志が、同町の継続的な支援を行うための団体「ひょっこりひょうたん島」を立ち上げました。大槌町から仕入れた特産品を学外のイベントなどで販売したり、市川市や江戸川区内の店舗に置いてもらい、売上を本学学生の被災地ボランティア遠征費として支援しています。

被災地の継続的な支援のために

東日本大震災で被災地となった岩手県大槌町。震災後、本学の学生は漁業の労働力不足が深刻化する同町で、ワカメ養殖用ロープ整備作業のボランティア活動を、2012年から毎年行っています。
2013年から同活動に参加した商経学部の森泉純さんは、同町で目の当たりにした光景や地元の方々に聞いた現実から、被災地のためにできることを考え、海に面した大槌町の海産物を使った商品を仕入れて販売する活動を思い立ちます。
この活動で同町の産業復興に寄与すること、売上は学生の現地ボランティア遠征費として援助することで、大槌町を継続的に支援できると考え、所属するゼミナールの仲間と共に学生団体「ひょっこりひょうたん島」を立ち上げました。

ひょっこりひょうたん島

契約、仕入れ、交渉、販売を「やってみる」

「ひょっこりひょうたん島」は現在、大槌町および隣接する釜石市の企業や商店と契約し、月に1~2回、ワカメ、佃煮、漬物などを仕入れています。市川市と江戸川区内の販売協力店に商品を置いてもらっている他、学外イベント等に出店して販売をしています。団体の設立以来、月2~3回のペースでイベントの出店を続け、販売協力店は3軒になりました。卸値で仕入れた商品は、一定の利益を乗せた価格で販売していますが、企業との契約、商品の仕入れ、販売は初めてのことでしたが、「やってみる」ことは、授業で学んだ商品やお金の流れ、経営についての理解を深めることにつながっています。また、人と人とをつなぐコミュニケーションの大切さや商品説明も授業で学ぶプレゼンテーションが役立っています。

  • ひょっこりひょうたん島
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被災地ボランティア活動に2回の援助、活動の幅を広げるためにNPO法人化へ

大槌町の美味しい商品が人の目に留まることで、東日本大震災を風化させず、忘れずに被災地への関心を持ってほしいという学生たちの熱意が伝わり、「ひょっこりひょうたん島」が仕入れ、商品の売れ行きは好調で、完売商品も増えています。収益により、2014年度は2回の被災地ボランティアの活動に、10万円の交通費を援助することができました。
「ひょっこりひょうたん島」は活動の幅を広げるためにNPO法人化の準備をしています。
新たな販売協力店の開拓とともに、積極的にイベントに参加して、大槌町の特産品のPRを続けながら、被災地ボランティア活動の費用を全額支援できるようになることを目標にしています。

  • ひょっこりひょうたん島
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学生の声

森泉さん

ひょっこりひょうたん島の活動は、社会人との接点が多く、さまざまな考えに触れることができます。学生と社会人の考えにはギャップを感じる時もありますが、それを埋められるように考えて行動した経験は、社会に出た時に役立つと思います。
この活動で、今、何が求められているか、できることは何かを常に意識するようになりました。やるからにはとことんやる!という気持ちの反面、忙しさで周りが見えなくなることも。そんな時こそ客観的に状況を分析することの大切さに気づきました。

商経学部経営学科 森泉 純(科学技術高校出身)

榎本さん

被災地の復興支援を直接行うのがひょっこりひょうたん島の活動です。
私はイベントでの販売や、協力店での商品補充をしていますが、商品の興味を引き、手に取ってもらえるように、画像表現の授業で学んだ知識を活かし、ポップ広告作りにも力を入れています。行く先々でいろいろな人と話せることが楽しく、視野も広がり、学外の輪も広がっています。
今後は学内でもこの活動を知ってもらうこと、商品を置いてもらえる場所を増やしていくことが目標です。

政策情報学部 榎本 勝道(越谷東高校出身)

ひょっこりひょうたん島とは

岩手県大槌町での被災地ボランティア活動に参加した学生有志が2013年に設立した団体。大槌町の特産品を仕入れて販売し、その売上を学生が被災地ボランティア活動に参加するための費用として援助することで、同町の復興を継続的に支援していくことを目的としています。