2015.12.10 UP

地域住民のニーズに応え、笑顔を運ぶ

学生ボランティア『CUC宅配・サービス』

「こんにちは! CUC宅配・サービスです。」
明るく元気に依頼者の元へ自転車を走らせるCUC宅配・サービスは、主に市川市国府台・真間地区在住の高齢者の方々の生活を支援する学生ボランティア団体です。
活動歴は10年以上。政策情報学部の授業「社会調査法」の一環としてスタートした活動は、現在、千葉商科大学で最長を誇るボランティア活動として、「依頼者がいる限り続ける」ことをモットーに、先輩たちの熱い思いが後輩たちへ脈々と受け継がれている取り組みです。

地域の高齢者の方々に学生ができる支援

内閣府の平成27年版高齢社会白書によると、2015年、日本の65歳以上の高齢者を有する世帯数は2,242万世帯、全世帯(5,011万)の4割以上を占めています。また、そのうちの過半数が「単独」、「夫婦のみ」の世帯となっています。このような世帯では日常の家事をこなすことも容易ではありません。
「足腰が弱って買い物が難しい」、「情報機器について身近に聞ける人がいない」といった悩みを抱える地域の高齢者に寄り添い、学生として支援できることを自らで考え、"やってみる"のが、CUC宅配・サービスの活動です。

めざすは「まちの何でも屋さん」

CUC宅配・サービスは、市川市の真間大門会商店街にある事務所を拠点とし、地域の高齢者から依頼を受け、週2回の活動を行っています。
依頼内容は、買い物代行、庭掃除、洗濯代行、パソコン操作の指導など多種多様。社会では買い物弱者支援のサービスが増えていますが、この地域においても、買い物代行は7~8世帯から定期的な依頼を受けています。また、近年はパソコン等の情報機器操作や設定へ問い合わせの依頼が増えており、学生たちは情報を強みとする千葉商科大学での学びを発揮する機会にも繋がっています。

  • 買い物代行
  • PC操作指導
  • 草刈り

行動源は依頼者からの感謝の言葉

時には、未経験の作業や学業との両立で苦戦することもありますが、どのような依頼も、思いやりを持ち、相手側に立った視点で考えるうちに、一人ひとりに合ったよりよいサービスを提供する心構えになっています。人とふれあい、依頼者からの「ありがとう」の一言を戴くと、何よりも嬉しく活動の励みとなると、学生たちは口を揃えます。活動終了後に依頼者との会話を楽しんだり、お孫さんと遊んだりと、家族の一員のように受け入れていただくこともあり、「千葉商科大学の学生さんは信頼できる」と言われるほど、依頼者との深い信頼関係の構築もCUC宅配・サービスの特長です。長年の活動で培ってきた信頼を裏切らないよう、学生たちも気を引き締めています。

  • 買い物代行
  • 配達

より多くの声に応えるために

10年以上に亘る実績から顧客も増え続け、2014年度の総依頼件数は過去最高の340件に上りました。依頼を通じて、学生と話す機会を楽しみにしている方もおり、この根を絶やすことはできません。学生たちは学内での募集活動も力を入れたいとしています。
超高齢化社会を迎える今、CUC宅配・サービスのボランティアの"やってみる"を通じて、学生自身の可能性が引き出され、学んだ知識はこれからの社会へ活かされていきます。

活動メンバー

学生の声

関口康大さん

CUC宅配・サービスを利用している高齢の依頼者は、介護施設に入らず、ヘルパーを雇いながら自宅で暮らす方が多いです。活動を通じて「もう介護施設に行くから依頼が出来なくなる」と別れを告げられる場面にも遭遇してきましたが、「少しでも長く自宅で生活したい」という願いを最前線で支えることができるこの活動にとてもやりがいを感じています。

商経学部経営学科 関口康大(竹台高校出身)

中莖真洋さん

活動を続けていく中で緊張してしまったり、うまくいかなかったりすることもあります。それでも精一杯要望に応えた結果、感謝の言葉をいただくと「活動してよかった」と感じる場面がとても多いです。アルバイトではなくボランティアだからこそ得られる達成感もあるので、多くの在学生の皆さんに参加をお薦めします。

人間社会学部 中莖真洋(千葉商科大学付属高校出身)

担当教員の声

学生たちはCUC宅配・サービスの活動を通して、学年や性別の違う人たちと事業を進めていくことの難しさ、依頼者から信頼を得ることの喜び、自分の仕事に対する責任感など多くのことを学びます。学生のうちに、さまざまな出会いやコミュニケーションを経験し、それに基づく自信を身につけることで、社会を支える人へと成長します。これからも人に対する思いやりの心と積極的に社会へ貢献する意識を持って活動してほしいと思います。

副学長・地域連携推進センター長 瀧上信光

瀧上信光 副学長

CUC宅配・サービス設立者の声

学生にはボランティア活動を通じて、コミュニケーション能力を身につけてもらいたいと考えています。「やりたくないからやらない」「関わりたくないから関わらない」という考え方は社会では通用しません。失敗が許される学生時代だからこそ、多くの方々と関わり、自分たちと違う世代の人たちと話題を見つけて話すという経験をして欲しいと思っています。

地域連携推進コーディネーター・政策情報学部元教授 陸 正さん

 陸 正さん

地域連携推進センターとは

全学的な地域連携推進体制の確立と教育、研究及び社会貢献について全学的な地域連携の取組を推進しています。
対外的には市川市を始めとする近隣自治体との連携や、学外向けの生涯学習講座等の企画・運営、社会貢献として地域で活動する学生ボランティアのとりまとめ、などを行っており、地域社会から大学に対する要望も幅広く聞き入れています。