学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

ご存知のように本学では新型コロナ感染拡大防止のため、本学のホームページに学長メッセージを出しています。政府の緊急事態宣言の全面解除にあたり、9月30日にも新しいメッセージを出しました。政府は宣言を全面解除しましたが、感染防止対策は一気には緩めず段階的に緩和して行くよう求めています。

当面、行動はまだかなり制限

そこで、本学では、10月1日以降は現在の活動制限レベル4から一段階下のレベル3に変更しました。これに基づき、本学が認めた活動のみ、徐々に再開して行きます。授業については、学生の安全安心のため特別に、活動制限レベル4に準じた対応を10月中は行います。10月中(授業3週目まで)は遠隔授業中心とし、その先は見直します。

本学は、実学重視の教育理念から対面授業を重視し、可能な限り、学生にはキャンパスに来て大学生活を送って欲しいと考えています。この方針のもと、春学期は8割近くの授業において面接授業を実施し、無事終えることができました。この間、授業における感染やクラスターの発生は、ひとつもありませんでした。

10月中、感染が収束して行けば、11月には活動制限レベルをさらに引き下げ、対面授業を増やしたいと思いますが、リバウンドの恐れもあります。今後の推移を慎重に見極め、事態が好転した場合には速やかに対面授業を増やします。

ワクチン接種の効果

東京オリンピックが開催された頃は、多くの人の気が緩んだのか、急激な感染拡大がありました。しかし、オリンピックが閉会した8月8日以降は次第に感染が収まって来たようです。感染確認数のデータは2週間ほど前の状態を表わしていますが、東京都の感染者数が減り始めたのは、確かに8月8日の約2週間後の8月23日からでした。この日から、感染確認数が前の週の同曜日を下回り始めたのです。その後、10月に入っても減少が続いています。10月3日(日)は161人で、日曜日としては今年最少まで減りました。

このように感染確認の減少が続くのは、オリンピック後の行動変容によるものに加えて、ワクチン接種者の増大の効果も大きいと見られています。高齢者や基礎疾患を持つ人の接種率は上がりましたが、若い人の接種率があまり上がりません。

当初は若い人は感染しにくく、また、感染しても軽症で回復し、重症化しにくいとされていました。しかし、高齢者や基礎疾患を持つ人のワクチン接種が進み、デルタ株が広がった現在では、若い人も重症化する人が増え、亡くなる人も出てきました。従って、若い人もワクチン接種が求められています。

正しい情報で判断する

本学でも10月6日から市川キャンパスでの接種が始まり、11月中には2回目の接種が終わる予定です。そのため3,500人分のワクチンを用意しましたが、接種を希望する人がまだ少なく1,000人に達していません。これは、まだ十分に周知されなかったためかもしれませんが、中には接種をためらっている人もいるのではないかと思います。

ワクチン接種は各自の判断により決めるものです。すなわち、ワクチン接種によるメリットとデメリットを比較して、メリットが大きいと判断すれば接種する。そうでなければ接種は控える。多くの人にとっては、接種のメリットが大きいようですが、効果比較のための情報が正しくないと判断を誤ります。
しかし、ネットにはフェイク情報がかなり混じっているようなので、要注意。そこで、厚生労働省などが誤った情報を指摘しています。例えば、次のサイトで、警告を発していますから、皆さんも十分注意をして情報を獲得し、判断に役立ててください。