進路・就職 Vol.2

「ホテルで働く」を知る! — パーク ハイアット 東京

年間2,000万人を超える外国人旅行者が日本を訪れ、その数は2020年の東京オリンピックに向けてさらに増えることが予想されます。「世界をもてなす」ことを仕事にしたい国際教養学部生に人気の高いホテル業界。パーク ハイアット 東京で、ホテルの仕事について伺いました。

中嶋千絢、今井啓太中嶋 千絢(市立松戸高校出身)
初めての海外旅行で、英語が話せず不安だった私を親切な対応で安心させてくれたホテルのスタッフのように、“心あたたまるおもてなし”を仕事にしたいです。

今井 啓太(実籾高校出身)
人と接する仕事を軸として、ホテル業界を視野に就職活動を始めました。自分の仕事を通じて、外国人旅行者に日本流のおもてなしを広げることが夢です。

高木健介さんお話を伺ったのは、
パーク ハイアット 東京
人事部マネージャー
高木健介さん

学生: 私たちがホテルと聞いて思い浮かべることは2つあります。1つは宿泊に関することで、予約の受付、電話やフロントでの応対、客室の清掃など。もう1つはレストランですが、これ以外のホテルの仕事、全体像を教えてください。

ハイアット: ホテルの仕事として皆さんが考えるのは、ホテルを利用した時に見える部分が主ですが、他にも皆さんの目に触れない仕事も数多くあります。例えば営業部がそのひとつで、客室や宴会場の販売が仕事です。客室については、旅行会社にツアーの宿泊先として組み込んでもらったり、宴会場であれば結婚式をはじめ、企業向けにパーティや会議、大学へは謝恩会等で利用してもらえるようにホテルをアピールするのです。イベント当日、実際にどんな料理やセッティングでパーティを行うのかをプランニングする業務もあります。また、ホテルといってもひとつの企業なので、一般的な会社と同じく経理や人事、施設管理といった部署もあり、組織化されています。入社1年目はホテルの見える仕事として代表的な宿泊部または料飲部のどちらかに配属されることになっています。

学生: 私たちが社会人になる2019年。その翌年に東京オリンピックが開催されます。日本を訪れる外国人旅行者が増え続ける中で、私たちの周りにもホテル業界で働くことを希望する人が多くなっています。東京オリンピックに向けてホテルが取り組んでいることがあれば教えてください。

ハイアット: 東京オリンピックは確かにインパクトがありますね。パーク ハイアット 東京はメインスタジアムとなる新国立競技場にも近いですが、具体的なビジネス案件などは今後どんどん増えると思いますが、まずは来年2019年に開催されるラグビーワールドカップに向けて動いていかなければなりませんね。
東京オリンピックで従来以上に多様なお客様が来日・来館されることは間違いないと思います。当たり前が当たり前ではなくなることもあるでしょう。そのため、幅広い準備と心構えをしておくことは念頭にあります。利用者が増えるからといって、客室を増やすことはできません。毎日100%の稼働率が続いたとしてもパーク ハイアット 東京らしいサービスを常に提供できるような態勢を整えることが大切だと考えています。

学生: 東京オリンピックの機運が高まっていく時期に入社する私たちの世代は、どんな勉強が必要ですか?

取材風景ハイアット: 皆さんはオリンピックを入社2年目で迎えることになりますが、そのタイミングでホテルの現場を経験できるのはとても面白く貴重ではないでしょうか。外国人旅行者が増えるホテルで働くとなると、皆さんが気になるのは「英語力」なのかなと思います。1年目の配属が宿泊部の場合、TOEIC600点以上が求められますが、料飲部であればとくにスコアの規定を設けてはいません。宿泊部を希望するならば英語力はしっかり身につけておいてほしいですね。一般的にはアジアからの旅行者の増加に対して、中国語が話せることも望ましいとされていますが、基本は日本語と英語、強いて言えば、正しい日本語ができることが第3言語よりも大切かもしれません。
また、お気づきかもしれませんが、パーク ハイアット 東京には外国人が多かったと思いませんか。実は近年の外国人旅行者の増加に関わらず、宿泊者の約7~8割が外国人というのがこのホテルの特徴で、そのうち半数以上を欧米の方が占めます。フロントのスタッフは当然英語を使う時間が長くなり、英語力は不可欠です。アジアからの団体が多いところもあれば、私たちのように欧米の個人客が多いところもあります。どちらが良いというのではなく、どのホテルで働きたいかというのは、自分が誰に対して何をしたいのか、仕事としてのやりがいを何に求めるかによって違います。どんなホテルが自分に合うのかを知るために、いろいろなホテルを見ておくことをおすすめします。

学生: パーク ハイアット 東京は上質で洗練されたホテルというイメージがあります。その高いサービスレベルを保つ秘訣は何ですか?

ハイアット: 質問ですが、皆さんのアルバイト先にマニュアルはありますか? それをどう思いながら見ているのか、逆に教えてください。

学生: 私はコンビニエンスストアでアルバイトしています。マニュアルは覚えることが多くて大変だと思いましたが、慣れてくると「こうした方がいいのではないか?」と、自分なりのアイデアで対応したいと思うことがあります。

取材風景ハイアット: 秘訣はその通りで、「サービス」と「ホスピタリティ」の両方を兼ね備えていることです。パーク ハイアットにはとても細かく厳しいマニュアルがありますが、それこそがパーク ハイアットらしさ、パーク ハイアットというブランドを確立しているのです。世界中どのパーク ハイアットに行っても、同じサービスが受けられるというのは、こういうことなのです。
でも、マニュアルにないことでも、お客様によっては、こうした方が喜ばれるということもありますよね。私たちはそのニーズを見つけ出し、それに対してアクションができるかということも重要だと考えています。これは、「Empathy + Actoin = Care」という考え方に基づいています。こうしたらいいなということを実現する時には人手が必要な場合もあるでしょう。パーク ハイアット 東京は従業員も比較的多いので、手厚く人それぞれに合ったおもてなしができる。それがサービスの質の高さを保つことに繋がっていると思っています。
ちなみにですが、パーク ハイアット 東京と同規模のホテルの中で、パーク ハイアット 東京らしさとは何かと言うと、鍵かもしれません。今どきはカードキーがほとんどですが、鍵を回して部屋に入るようになっています。それは「家に帰ってきたような気持ちで過ごしてほしい」という私たちのおもてなしなのです。

学生: ホテル業界にはどんな人が向いているのでしょうか。また、ホテル業界への就職活動における心構えについてアドバイスいただけますか?

取材風景ハイアット: 私自身の経験になりますが、学生時代のアルバイト先がホテルの飲食施設でした。目の前で「ありがとう」を言ってもらえることがやりがいで、就職活動の時もそれを仕事にしたいと思いました。ホテルはシフト制で時間は不規則だし、そのリズムに慣れるまではとても大変です。私は入社時に料飲部に配属されましたが、自分で注文を取れるようになるまで3~4ヶ月かかりました。厳しいマニュアルがあると言いましたが、ステップが多く、それをこなさないとお客様の前に立つことはできません。しかし、1つできれば次があります。そのステップは明確なので目標が持てました。1つずつ取り組むことができたのは、早く接客がしたい、自分で直接サービスがしたいという気持ちが大きかったです。お客様に喜んでもらいたいという気持ち、サービスすることに喜びが持てるかどうかがホテルで働く上では大事だと思います。

感想

パーク ハイアットでは世界中どこでも変わらないサービスを受けることができる、というお話が印象的でした。しかし、それが画一的ではなく、お客様の文化・宗教的背景をはじめ、一人ひとりのニーズに合わせる対応力を重視しているというのは、スタッフが成長できる素晴らしい環境だと思います。国内外に支店を持つグループ会社は人種や国籍などが異なる人々と働く環境が整っていると聞いたことがありますが、世界規模で同じサービスを提供するという点で、どこでも働くことができる仕組みがあると感じました。(中嶋)

ホテルを一括りで考えていましたが、就職するとなると、どんなホテルでどのように働きたいのかを見極める必要があると分かりました。今のところ、私の関心は日本のもてなしを広げることなので、場所に関わらず同様のサービスを提供するホテルチェーンより、旅館のような日本らしさを求める旅行者に対して仕事がしてみたいという気持ちもあります。いろいろなところを見に行って、自分のめざすホテルを定めたいと思います。(今井)

集合写真