2021年度 最優秀賞

摘果リンゴで健康に

受賞者

青森県立名久井農業高等学校
佐々木昌虎さん、大坊拓也さん、掛端博貴さん、新田遥加さん、寺沢ゆきさん、中居泉穂さん

地元再発見

観光農業が盛んな南部町のリンゴ畑で、摘果体験と摘果リンゴの料理作りを楽しむ日帰りまたは宿泊イベントを7~8月に開催。地域や都市部の皆さんに自然体験と高機能性食材の味を楽しんでもらうとともに、農家の人手不足解消を図り、持続的な「奇跡のリンゴ産地」の維持と活性化と図る。

地元活性化の方法

太平洋側唯一の奇跡のリンゴ産地「南部町」では、担い手不足と、町の農業従事者の55%以上が65歳という高齢化の課題を抱えている。そこで、初夏から始まる摘果作業での人手不足を解消するため、南部町周辺の家族や首都圏に住む家族をターゲットとした、摘果リンゴの収穫・調理を体験するイベントを実施する。
参加者は400カ所以上のリンゴ園で、農家の指導を受けながら摘果作業を行う。そして、町営や農家さんの加工所で摘果リンゴのアップルパイ作りなどを体験する。酸味がある摘果リンゴは芯を取り除くと最高のジャムやアップルパイができる。さらに摘果リンゴは普通のリンゴより約50%も多くポリフェノールを含んでおり、生活習慣病の抑制には最適である。このような摘果リンゴのスイーツは市販されておらず、南部町に来なければ手に入れられないため、独自性にも富んでいる。
健康志向の高まりや、長引くコロナ禍でのレジャー需要と、人手不足や高齢化問題を抱える農村の課題を結び付けたこの企画は、実現の可能性が高いと考える。消費者と生産者が一緒になって奇跡の産地を活性化させることで、持続可能な農業や住み続ける町作りというSDGsの目標達成にも貢献できる企画である。

二次審査映像資料

講評または受賞にあたってのポイント

南部町がフルーツの町であり、そこで捨てられてしまっている摘果リンゴに注目をして、町の活性化を目指していこうというテーマは非常に感銘を覚えました。地方は農業で成り立っている部分が多いと思いますが、農業高校の皆さんがその「農業」をうまく活用したプランを提案されたことを高く評価したいと思います。 また、摘果リンゴに含まれているクロロゲン酸という栄養素が健康に良いことに着目し、そこをアピールすることで、都会からも観光客を呼び込むという発想が印象に残りました。 そして、千葉商科大学はSDGsへの取り組みを積極的に進めていますが、本プランもSDGsの要素を取り入れており、全体的に大変ストーリー性の高い内容であったことも高評価のポイントでした。 各地方には見過ごされてしまっているような名産品やがまだまだあると思います。今後もぜひ、地元の名産品を生かした地域の活性化プランをいろいろと考えていただき、町の人や農家の皆さんと協力して、実際に良いまちづくりを進めていってほしいと思います。

2021年度 優秀賞 2021年度 審査員推薦賞