講談師の神田紅師匠来る!

国際教養学部

2017年6月14日

国際教養学部では、世界に通用するグローバル人材になるためにはまず、自分を知らなければならない、という方針の下、初年次に「日本を知る」テーマの講座を種々設けています。そのうち、宮崎緑学部長が担当する「日本研究」は文化の切り口から、日本とは何か、日本人とは…を考察するものです。中でも伝統文化に関しては、本物に触れる機会を大切にしており、今年度は講談師、神田紅師匠をお招きしての特別講義が行われました。

授業では、『鉢の木』の一説を取り上げ、佐野源左衛門常世が「いざ鎌倉」で出立する場面をあの独特な語り口で講釈した上、なんと、学生たちにも口述させてくださる実技つきで、伝統の話芸とそこに描かれている歴史を興味深く解説してくださいました。学生たちは声を張り上げ、講談調の語りに挑戦、一節語っては張り扇でトンと机を叩く話芸に皆、エキサイトしていました。

神田紅師匠は日本講談協会の会長も務める重鎮で、この道40年。深い知識と教養に裏打ちされた伝統の話芸は惚れ惚れする秀逸なものでした。学生たちは圧倒されたり、ユーモア溢れる解説にお腹の底から笑ったり、実に楽しく貴重な学修を過ごしました。

神田紅講談師神田紅講談師

神田紅氏プロフィール

福岡県出身。早稲田大学商学部中退後、文学座付属演劇研究所を経て女優の道を歩き始めるが、昭和54年講談師・二代目神田山陽の語り口と講談の魅力にとりつかれ門下生となり神田紅を名乗る。
平成元年真打昇進・本牧亭にて昇進披露興行。
その特異なキャラクターを活かした「芝居講談」という新しいジャンルを開拓、明るく楽しくわかりやすい芸風で、古典から現代ものまで幅広い作品を得意とする。
講談のほかにも、女優、映画評論家、エッセイスト、レポーターとしても活躍。
平成14年紅一門を旗揚げし、現在弟子は4人。本年で、芸道40年を迎えた。
講談の普及のため講談教室「紅塾」で東京、福岡合わせて100余名の生徒を熱心に指導している。
平成13年~現在、全日空機内寄席のパーソナリティー放送中。
著書は「紅恋源氏物語」「語って紅伝」「女の独り立ち」