国際教養学部生がフィールドワークで「おもてなし」とは何かを学ぶ ～墨田区の魅力をSNSを通じて世界に発信
国際教養学部
2018年7月13日
6月16日(土)、国際教養学部の正課科目「ホスピタリティ」(担当教員:宮崎緑国際教養学部長)を履修する学生たちが、墨田区でフィールドワークを行いました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、世界に対してどのような受け入れ態勢をつくるかが社会的課題になっています。「世界をもてなす」を学問的視点から考える「ホスピタリティ」では、「おもてなし」を単に接客として捉えるのではなく、おもてなしの根底となる日本の文化や価値観、歴史を考究します。そこで本講義の履修生が「おもてなしとは何か」を個々人のレベルで理解し実践していくために、オリンピックの舞台となる東京の観光地として人気が高まっている墨田区で、同区の魅力を再発見し、発信するフィールドワークに参加しました。
当日は、フィールドワークにあたり、墨田区観光協会の森山育子理事長から、墨田区の歴史と、墨田区を若者や外国人にとっても魅力的な街にするための活動について特別講義がありました。その中で森山理事長は、「若い人たちに対して、どのように墨田区の魅力を発信するか、フィールドワークで得た皆さんの視点を生かしていきたいと思います」と話しました。
フィールドワークはグループに分かれて、向島、吾妻橋、押上、両国、錦糸町などのエリアで実施しました。グループごとに「レトロモダン」、「歴史を感じる」、「長命寺 桜もち調査」などのテーマを設定し、地図やパンフレットを片手に墨田区内を歩き回り、改めて「おもてなし」の視点で新旧が混在している街ならではの魅力発信の在り方など、多くの発見をしました。フィールドワーク終了後には、グループごとに学生視点での墨田区の魅力を発表しました。また、共通ハッシュタグを使って、インスタグラムへ投稿し、数多くの「いいね」を獲得。フィールドワークで得た情報、発見した魅力を世界に向けて発信することで、墨田区のブランディングに貢献しました。
このフィールドワークを通して、地域資源についての発見、考察、それを生かしたホスピタリティの実践を学びました。
学生の声
外国人に日本の魅力を伝えたいと思っていたので、「おもてなし」について学べる「ホスピタリティ」を受講しました。フィールドワークでは、向島にある長命寺を訪れ、300年の歴史があるさくら餅について調べました。お店の方にお話しをお伺いし、長命寺やさくら餅の歴史、作り方について聞きました。グループごとの発表では、「300円(さくら餅と煎茶の価格)で300年の歴史を感じる」をテーマに、お聞きした話と実際にさくら餅を食べてみた感想を熱く語ったところ、皆に興味を持ってもらえました。このフィールドワーク通じて、長く続くよい物が外国人や若い人にあまり知られていないことを感じました。より多くの人へ情報を届ける伝達方法を見つけることが「おもてなし」の第一歩だと思いますので、自分でどんな風に伝えることができるか、さらに考えていきたいと思いました。
国際教養学部1年 宮原裕樹さん(実籾高校)
地元の和太鼓チームで活動をしていることもあって、フィールドワークなどを通じてより深く日本文化を学びたいと思い「ホスピタリティ」を受講しました。フィールドワークでは、向島にある長命寺をスタート地点とし、そこからスカイツリーに向かう道すがら、再開発が進んでいる場所、整備が行き届いていない場所、新しいもの、旧いものが混在しているのが印象的でした。よく知られている場所とそうでない場所の差が大きくて、このエリアの魅力が伝わりきれていないと感じました。外国人はもちろん、日本人も日本文化を深く知ることで、その地域の魅力が伝わり、ホスピタリティにつながるのだと思うので、日本文化を知ってもらう活動に貢献していきたいと思います。
国際教養学部1年 猿田維吹さん(篠崎高校)
日本人として日本のことをもっと知って、それを外国人にどう伝えるべきかを学びたい、と思ったのが「ホスピタリティ」の授業を選択したきっかけです。私たちのグループは「喫茶店をめぐる」をテーマに、京島エリアにある喫茶店を訪れました。街中には昔ながらの喫茶店やインスタ映えを意識したポップなインテリアのカフェなど、古いお店、新しいお店が混在していて、高校生から年配の方まで幅広い年代のお客さんがいました。インスタグラムで情報を発信する際には、誰にこの情報を届けたいか、どんなワードで検索されるかを考え、ハッシュタグをつけて写真を投稿しました。いつもよりも反応が多く、同世代の人や外国人に墨田区のローカルな文化を知ってもらえていれば嬉しいです。
国際教養学部1年 永島田晴さん(足立新田高校出身)