交換プログラム(中国)

吉林外国語大学(夏期)

文化的特徴と価値観の変化について

国際教養学部 圷紗知

今回、吉林外国語大学交換プログラムに参加し、2週間中国の文化に触れながら生活したことで、日本に居ては感じられない文化の違いに直面し、中国に対するイメージや考え方が変化したと考えています。このプログラムを通じて自身の価値観の変化を体感しました。

私が中国に着いて一番初めに驚いたのはお手洗いです。北京の空港に着いてお手洗いに行った時、一緒に行った学生に「ティッシュペーパーを持っているか」と聞かれました。なぜそんなことを聞くのだろう、と疑問に思いながら個室に入るとトイレットペーパーがないことに気が付きました。さらに、ティッシュペーパーは流してはいけないと知りました。トイレットペーパーがある環境が当たり前だったので、常にティッシュペーパーを持ち歩くことは違和感がありましたが、その違和感も徐々に慣れて無くなっていきました。しかし、トイレットペーパーがないと不便だと感じていました。

また、食事の面でも違いを感じることが多くありました。緑茶に砂糖が入っているなど、味に驚くこともありましたが、私は中国の食後のテーブルの様子を見て驚きました。テーブルの上のゴミはそのまま置きっぱなし、骨付き肉などの骨もテーブルに直に置き、食べこぼしもそのままで出て行ってしまうのです。
このことから私は、日本の過ごしやすく不便がない日常の環境のありがたさを再認識することが出来たと考えます。お手洗いやテーブルがきれいなのは、日本人がきれいにする意識を持ち生活しているからなのではないかと考えるようになりました。

お金の払い方も日本とは全く違っていました。中国はキャッシュレス化が進んでいたため、現金はほとんど使えませんでした。週末は現地でできた友人に買い物に連れて行ってもらいました。現金が使えないお店では現地の友人が、バーコードをWeChatで読み取り支払うという「バーコード決済」をしてくれました。財布を持たなくても携帯1つあれば支払えるため、とても便利だと感じました。タクシーもアプリで手配して事前にお金を支払って乗るので、一切お金を出さなくてよいことに驚きました。大学内では全てのお店で学生カードを使って支払うことができました。お金をチャージして、支払うと残高が表示される仕組みです。支払いに時間がかからずとても良いと感じました。個人的には千葉商科大学にも導入してほしいと考えるほどです。

中国に行く前は、携帯で決済というのは危険なのではないかと考えていたので現金での支払いが一番良いと考えていましたが、中国で実際に使っている場面を見ると時間がかからず効率的に支払いができるので、この決済方法も良いなと自身の考えが変わりました。人口が多い中国だからこそ凄まじいスピードでキャッシュレス化が進むのではないかと考えました。

最後に、私は中国人の人柄について口調が強くせっかちで怒りっぽいという勝手なイメージを持っていました。しかし、現地に行ってみると関わる人は皆穏やかで優しい人が多かったです。仲良くなり心を開いてくれるととても親切にしてくれました。大学内で助けてくれたり、食堂で一緒にご飯を食べようと誘ってくれたり、休日はおすすめの場所へ連れて行ってくれました。私は滞在中に気になっていたことがありました。それは中国人の気づかいやおもてなしの心です。出掛ける際に案内してくれた人達は、食事代を全て出すと言ってくれましたし、電車に乗った時も切符代を出してくれて、漢服を着せてくれた時もその漢服をプレゼントしてくれました。なぜこんなにプレゼントしてくれるのかと聞いたところ、私に楽しんで欲しいからと言ってくれたのが忘れられません。中国人の気づかいやおもてなしの心は、本当に対価や見返りを求めていないのだと感じました。奢ることやプレゼントすることが良いというわけではありませんが、相手が喜ぶことを自然に考えて行動していることがとても良いと感じました。私は、相手が嫌なことはしないと考えて行動していましたが、相手が喜ぶことを考えながら行動できたら相手が喜んでくれた時に自分も幸せになれるので、自分の日常の行動に取り入れようと考えるようになりました。

私は2週間で、自分の持っていた常識や当たり前は、日本ではそうかもしれないが国が変われば常識ではなくなるということを痛感しました。日本以外の国に行けば、その国の生活様式や文化背景が影響し、新しい価値観が構築さていくのだと考えました。この挑戦によって新しい人との出会いや体験ができ、新しい価値観に出会え、選択肢の幅が広がったのです。これからの学生生活は、挑戦の気持ちを忘れず新しい出会いを大切にして過ごしたいと考えます。