ローゼンハイム応用科学工科大学(夏期)
交換プログラムに参加して
国際教養学部 朝井敬介
今回の留学は、様々な気づきを経験できた留学でした。特に印象に残っている経験は主に三つあります。
一つ目は、自分が成長させなければいけない課題を発見することができました。現地大学の授業を受けて気づくことができた、最も克服しなければならない課題は「自分の意見を円滑に相手に伝えることと相手を説得させる力」です。
現地大学では「Business Ethics」を勉強しました。パワーポイントとケーススタディを使った授業は非常にわかりやすく、授業を理解するには十分な講義形式でしたが、自分の力不足を様々な面で感じました。それが顕著に出たシーンが、ケーススタディで資料を読む時、授業で発言する時、そしてグループワーク・グループディスカッションです。
リーディングの面では太刀打ちできる自信のあった私ですが、同じ授業を受けていた留学生のリーディングのスピードには最後まで追いつくことができず、結局私たちが読み終わるのをクラス全員が待つことが多かったのが非常に悔しかったです。読むスピードは、普段からどれほど英語で読んでいるか、経験値によって改善されると思うので今後はより英文に触れることを習慣化していきたいと考えています。
日本の一般的な授業とは違って、海外の授業では頻繁に自分の意見を求められます。授業内容はある程度理解することができた私ですが、自分の意見を表現することができず、発言したいけれど円滑に質問をすることができないため、授業の流れを止めてしまうことが多く、自分の実力の無さに苛立ちをずっと感じていました。
さらにグループワークでは、「他の人を納得させること」が非常に難しかったです。五人程度でのグループでワークをすることが多く、一人当たりが発言する機会が多かったため、自分の意見を言う練習ができました。少人数のワークでは私もアイデアを提言することができましたが、ほとんどが棄却されました。その中には自分のアイデアが正解に近い時もあり、「マトハズレな発言」をしているという訳ではなく「他の学生を説得すること」ができなかったと気づく事ができました。
研修に参加する前に、「世界で働くために自分に不足しているものは何か」を発見することを目標にしていました。自分の英語力がまだまだ未熟で、改善点を発見することができて満足していますし、授業を理解することができる、まだ伸びしろがたくさんあると、良い面にも気づくことができました。
二つ目はドイツでの食文化です。現地に行って驚いたのは自動販売機で、水と同じ1ユーロ程度で瓶ビールを、大学の食堂ですら販売していました。ビールが国民的な飲み物であるということを非常に強く感じました。種類も、帰国するまでに全部のビールを飲むことができないほどたくさんありました。特に驚いたのは、日本で売られているブラックビールとドイツで売っているブラックビールの味の違いです。主観になってしまいますが、日本産は非常に味が重く飲みづらいのが特徴だと感じます。しかし、ドイツのブラックビールはスモーキーな香りとちょうどいいクセが病みつきになりました。非常に美味しいビールを留学中に体験できました。ドイツの食文化として有名なソーセージでも新しい経験ができました。最も感動したのは、ホワイトソーセージです。日本では見たことの無い珍しい色のソーセージで、お湯の中に入っていて、皮をむき、ハニーマスタードをつけて食べます。日本で食べるジューシーなソーセージと違って、マスタードの味と楽しむこの料理はソーセージの新しい世界を開けた気がします。
三つ目は、私たちは自主的に世界を知る姿勢を持っていないと気づけたことです。授業では、EU圏内、メキシコ、南アフリカ、UAEなど世界各国から学生が集まっていました。私がショックだったのは、いまだに中国、日本、韓国に同じイメージを持つたくさんの人がいる現状です。UAEの学生は私たちに向かって「ニーハオ」と言い、メキシコの学生は韓国の国旗を指して「これ日本?」と言うなど、苛立ちを感じることもありました。しかし、私たちがアフリカのナイジェリアやアルジェリア、コロンビアとエクアドルの違いを知らないように、多くの人が自分の周辺国のことしか知らない、狭い視野で生きているということに気づかされました。ニュースやテレビなどの少ない情報だけで知った気になるのではなく、様々な情報媒体を使って積極的な情報収集をすることで、様々な国の文化を固定概念や「つもり」で見ることがなくなり、海外の人とより深い信頼関係を気づけけるのではないかと感じました。
今回の留学では様々なことに気づきました。最も印象に残っているのは自分の英語力がディスカッションのような実戦に弱いということでした。今回の研修でずっと感じていた悔しさを忘れずに残された大学生活、また社会人になっても英語力をさらに磨き続け将来世界と働くといつ自分の目標を実現できるように努力していきたいです。