海外語学研修(オーストラリア)

サザンクロス大学(春期)

研修参加後の変化

国際教養学部 本間稚菜

今回サザンクロス大学での語学研修に参加して、日本にいるだけでは体験できなかった経験をすることができた。出発前は、知らない土地でホームステイをし、英語を使って生活することに関して楽しみより不安のほうが大きかった。しかし、実際に行ってみると温かい人々と出会い、自然豊かな土地に魅了され、とても有意義な2週間を過ごすことができた。そんな2週間の中で感じたこと、学んだこと、またオーストラリアと日本の違いなどを述べたいと思う。

1つ目は、言語について見直す機会になったということだ。今までは英語にはない「おかえり」や「いただきます」という日本語はとても便利で魅力があると日本人として誇りを持っていたが、ホストファミリーと生活をする中で、おかえりの言葉の代わりに「How was your day?」とよく相手に質問していたことに気づいた。そしてその言葉が、その日互いに起きた出来事を会話するきっかけになっていた。この言葉で自然とコミュニケーションを取れる雰囲気はとても魅力的だと感じた。
また、「いただきます」の代わりに「Thanks, mom」と直接料理を作ってくれた人へ感謝を伝える言葉を使っていた。日本語では「いただきます」の一言で全てに感謝するという意味合いになっているため、私は直接料理を作ってくれた人へ「ありがとう」と言葉をかける機会が少なかったと気づいた。日本語は隠れた意味を含んだ言葉、言い方が多く、英語には直接表現する言葉が多いのではないかと考えた。その中で、言語それぞれに特徴や魅力が存在しているため、「便利だ」とか「簡単だ」などで優劣を決めるものではないなと改めて感じた。それと同時に、存在する言語一つひとつが魅力的で素敵な表現があるはずなので、英語だけでなく他の言語も勉強してみたいとも思えた。

2つ目に、勉強法の考え方が今回の研修で変化した。今までは、英語で会話をする際に失敗しないように机での予習が何よりも大切だと思い、多く時間をとってきた。しかし、オーストラリアで実際に英語を使うようになると、とにかく話したり聞いたりすることが何よりもの勉強になると感じた。ネイティブの人々の会話を聞いていると教科書に出てこないフレーズを聞く場面も多かった。そのため、普段の何気ない会話を聞くだけでも多くの学びを得られた。また、自分が伝えたいことを自分で考え、調べ実際に使うことによって知らない単語や言い回しを習得することができた。

3つ目に、日常生活での中での資源の大切さを感じた。オーストラリアでは日本と同じようにそのまま水を飲んでもお腹を壊すようなことはない、とても綺麗な国であったが、水の使い方やリサイクルへの意識は日本より高いと感じた。日本では水を使うことに制限を設けることは少ないが、オーストラリアはシャワーする際に、使いすぎるとお湯から水になってしまうこともあり、使う時間を制限する家庭もあるようだ。さらに洗濯は毎日するのではなく、洗う物が多く溜まったら回すようにしていた。オーストラリアは乾燥していて水が貴重であるため水道代が高いという話は聞いていたが、現地で実際に経験してみると、改めて水を自由に使える日本はとても恵まれた環境にあると感じた。また、晴れより雨やスコールの方が嬉しいという話からもオーストラリアにおける水資源の重要性を感じた。

資源については、スーパーでのレジ袋のリサイクル化も挙げられる。日本はまだレジ袋の有料化がまだ完全になっていないが、オーストラリアは私が買い物したお店、ほぼすべてが有料であった。レジ袋の違いでは、日本のスーパーでは薄いものが主流だが、オーストラリアでは少し厚手のものが提供されていた。日本のものより丈夫なこともあるが、ホストマザーはスーパーのレジ袋を再利用して使っていた。ここは日本も真似するべきではないかと感じた。有料化でお金を取っても、リサイクルできないような薄いものより何度も利用できるような厚手の素材にすることでごみの削減の役に立つのではと考えた。

最後に、新しい環境で生活したことで、物事を楽観的に考える大切さを感じた。出発前は知っている友人もおらず、英語にも自信がなかったため、楽しみな気持ちより不安な部分が多かった。また、最初の頃は英語を間違うことへの恥ずかしさもあったことから、発言することができなかったり、話しかけられても「Yes・No」の返事しかすることができなかった。そんな中、授業の際、先生が「間違っても良い、第二言語に挑戦していることが素晴らしい」と言ってくれてからは、自分からも言葉を発してみようと思えた。それからはホストマザーに対しても、単語だけでも話して伝える努力をしたり、とにかく何に対しても反応することを意識した。その結果、ホストマザーから「最初より良くなっている」と褒めてもらうこともあり、お互い笑顔で会話ができることが増えた。生活の中で100%英語を理解できないことも多く、うまく伝わらなくて苦労することもあったが、最終的には他大学にも友人ができ、ホストファミリーともすれ違いが起こることがなく、楽しく過ごすことができた。今思うと出発前は深く悩みすぎだったと思う。ネガティブに考えて何も行動できない方が何も得られないし、何も産まれないと学んだ。また、自分から積極的に行動し、周りの人と打ち解ける努力をしなければ人の輪も広がらないと強く感じた。最初から言語を完璧に話せるような人はもちろんいない。大胆に行動した方が良い結果になることもあると知ることができた。そして、うまくいくと信じてホストファミリーと会話をしたり、伝えようとする意思こそが重要であると学んだ。「失敗しても良い」「どうにかなる」「間違うことはそんなに恥ずかしいことではない」と気楽に考えることも生活を楽しんでいく1つの材料だと感じた。

今回の研修に参加して、自分の知る世界は狭いと思った。自分の当たり前は他人からすれば当たり前でないことであり、日本の当たり前は世界では当たり前ではなかったりする。海外に行くことは、そんな自分の狭い視野をその土地にいるだけでも広げことができる。改めて世界は広いと感じるともに、さらにいろんな国でも挑戦したいという自分の中の変化のきっかけとなる良い経験となった。この経験、反省を今後の短期留学にも生かし、さらに良いものにできるようにしていきたい。