新型コロナウイルスの感染拡大に対し、政府は緊急事態宣言を出しており、感染拡大のペースは下がりはじめたように見えますが予断は許しません。このようななか、本学では現在、2021年度に向けた準備を進めておりますが、4月からの授業の実施方針について取りまとめましたので、お知らせいたします。
2021年度は面接授業を中心に
大学での学びは、学生がキャンパス内に登校してこそ十分な教育効果を得られます。それは大学での学びが、直接対面しての授業から得られるものが大きいからで、実学教育を旨とする本学においては特に重要だと考えています。そして、教員と学生との交流、学生と学生との交流、学内での諸活動、図書館などの施設利用など、大学が持つさまざまなリソースを活用することによって最大限の教育効果を得ることができます。
コロナ禍のもと、2020年度の入学生の諸君は1年前に期待していたものとは全く異なる大学生活だったと思います。また、これから入学する諸君も大学に入学して充実した大学生活を送れるのか不安に感じる点もあるかと思います。しかし、この1年間、困難な状況の中でも学びを止めなかった学生諸君を、私たちは誇らしく思います。本学は、そのような学生の気持ちに応えられるよう、最大限の努力を続けて行きます。
コロナ禍において、2020年度は、学生の健康と安全を確保するため、また感染拡大を防止し医療崩壊を回避するため、遠隔授業と面接授業の双方の授業を行ってきました。これまで遠隔授業に取り組んできたことにより、遠隔授業でも相応の教育効果を挙げることができるようにはなりました。しかし、本学では、遠隔授業は基本的に補完的なものと位置づけます。
すなわち、すでに2020年9月の段階で方針を示しているとおり、2021年度においては、面接授業の実施を基本とします。ただし、学生および教職員の健康と安全を第一としますので、事態の推移によっては、社会環境の変化、および本学の活動制限指針に基づき、授業の一部または全てを遠隔授業とせざるを得ない場合もあります。
感染防止対策
面接授業の実施にあたっては、感染防止を徹底しなければなりません。この秋学期にゼミナール科目等、全授業の3分の1ほどを面接授業で行いましたが、感染防止を徹底したことにより、本学では学内での感染や濃厚接触などは1件も発生しませんでした。キャンパス内の教室等の抗菌処理をはじめ、教室には教室定員の半分以下、最大で5分の1ほどまで減らす密度管理、定期的な換気などを行い、キャンパス入構時のチェック、マスク着用も徹底しています。これら感染防止対策の徹底により、安心して面接授業を受講できます。
むしろ、教室外の活動のリスクの方が高いのです。文部科学省からも「大学等については、授業そのものよりは、いわゆる飲み会や寮生活、課外活動等における感染事案が多く発生している」との見解が示されています。
具体的な感染防止策は以下の通りです。
- 入構時チェック
- 入構者全員に対するサーマルカメラによる検温(37.5℃以上の方は入構不可)。
- マスク着用の確認、学生証等の提示による本学関係者であることの確認。
- 清掃・消毒 各所消毒液の設置
- 共用部(トイレ、ドアノブ、手すり等)の定期的な清掃および消毒。
- 教室等の各施設および共用PC等における長期耐用の抗菌処置と定期的な清掃。
- 換気
- 教室や食堂等の空調システムや窓開放等による換気。
- 飛沫防止
- 学内でのマスク着用の徹底
- 面接授業の座席数調整
- 学内での遠隔授業受講教室の整備
- 受付窓口にビニールシートやクリアボードの設置
2021年度春学期の授業について
本学では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための活動制限指針を定め、社会情勢に応じて適用するレベルを設定しています。2020年度春学期に策定しましたが、これまで感染防止対策を行いながら面接授業等を実施してきた状況をふまえて、2021年度版は見直しを行いました。
現在、緊急事態宣言が発出されていますが、本学では2021年度の授業が始まる4月時点の活動制限指針を以下の5段階のレベルのうち、レベル2と想定して準備を進めています。以下のように、本学はできるだけ面接授業を行いたいと考えています。各レベルについて、行末に記した%は面接授業の比率です。
レベル0(感染リスクが極めて低い) | 全て面接授業 |
レベル1(感染リスクが低い) | 概ね90%以上 |
レベル2(国・自治体より各種要請はないが、注意が必要) | 概ね70%以上 |
レベル3(緊急事態宣言なし、国・自治体より各種要請がある) | 概ね50%以上 |
レベル4(緊急事態宣言が出されている) | 面接授業は20%未満 |
従って、春学期は概ね70%以上の授業を面接授業で実施する予定です。現在の計画では77%、すなわち、4分3以上の授業を面接で実施する予定です。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況によっては、やむを得ず学期中を含めて活動制限指針の内容を変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
本学では、この1年間の経験を生かし、コロナ禍においても可能な限り面接授業を実施し、学生諸君が大学に通学して安心して授業を受け、キャンパス生活を過ごせるよう準備を進めて行きます。
一方で、基礎疾患を持つ方や海外から日本に入国できない留学生など、通学したくてもコロナ禍でそれが不可能な人もいます。これらの事情により通学できない学生については、遠隔授業もしくはハイブリッド式(通学者が面接で受けている授業を、通学できない学生向けに遠隔で受講できるようにする方式)で、登校せずに受講できるよう配慮します。(具体的な手続き等は改めてご案内します。)
なお、レベル0以外の場合は、割合は異なりますが、感染リスク回避を目的に一部の授業を遠隔で実施することがあります。遠隔授業を受講するためには、その環境(PCおよびWi-Fi等)の確保が必要となりますので、各自準備をしてください。
最後に
新型コロナウイルスの感染が終息するまでは、まだ時間を要することでしょう。このようななか、我々は大学としての使命を果たし、学生諸君が大学で多くのことを学び、成長する機会を設けて行きます。学生諸君の健康と安全を確保し、本学の教育活動の質を保つべく教職員一同最善の努力を続けてまいりますので、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
千葉商科大学
学長 原科幸彦