学生団体SONE(以下、SONE)が、夏は涼しく冬は暖かい省エネで快適な教室を作るために、教室の二重窓化と壁面に断熱材を設置するワークショップ『InSONEtion(インソネーション)~快適な教室へ DIY~』を8月31日、9月1日に開催しました。
2050年の脱炭素化に向けて、国内エネルギー消費量全体の約3割を占める建築分野での消費エネルギー削減は必須であり、大きな課題のひとつです。SONEは"学生に無理をさせない省エネ活動"をモットーに、2018年から学内外で省エネ啓発活動を推進しています。過去には、教室の温度調査や学生アンケートを実施し、冷暖房効率の悪い教室の二重窓化を大学へ提案し、改修に結びつけてきました。
今回、2021年12月に長野県で開催された断熱DIYワークショップを視察したことをきっかけに、学生たちは教室への断熱実施の可能性を探り、大学へ提案。株式会社エネルギーまちづくり社と本学卒業生が経営する株式会社畔蒜工務店の協力を得て、本ワークショップを実現しました。
2日間にわたるワークショップでは、プロによる指導のもと、学生たちが改修による効果が見込める4号館413教室に以下の作業を行いました。
- 鉄筋コンクリート壁面への断熱材設置および板張での仕上げ
- 壁面開口部への内窓設置および内窓の作成
- 廊下と教室間の仕切り開口部への中空ポリカーボネートで簡易的な内窓設置
- 出入口扉へのモヘアテープによる隙間対策
慣れない工具に悪戦苦闘しながらも、学生たちの手で鉄筋コンクリートだった窓側の壁面は、熱を伝えにくい性質を持つ木材を使用することで、見た目にもぬくもりあふれる温かい印象の教室に生まれ変わりました。
ワークショップに加えて、株式会社エネルギーまちづくり社の竹内昌義氏(東北芸術工科大学教授)と内山章氏よりご講演もいただきました。学生たちは日本の建造物における断熱水準の低さに衝撃を受け、さらに断熱ワークショップの重要性を感じたようです。
ワークショップ後に実施したエネルギー消費量の計測では、停電の影響などによる給電トラブルで計測記録が取れていないというハプニングがありましたが、今後気温が下がる11月~12月に再度効果計測を実施し検証していく予定です。
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