最新情報 2024年度

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国際教養学部3年生の必修科目「プロジェクト演習」では、これまで留学などで学んだ知識、語学力、異文化理解をもとに、「多文化共生社会とは」について研究を行っています。4~6月にかけて実施した研究調査では先行研究や国内外でのフィールドワークをもとに、日本で暮らす外国人の生活やコミュニティでの課題や問題点についてインタビューをしました。

今回の調査は、松戸市の認定NPO法人「外国人の子どものための勉強会」の講師と生徒、東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センターに礼拝に来ていたムスリムの方々と、上海で暮らす日本での滞在経験がある方々を対象に実施しました。学生たちは各グループごとに調査結果をまとめ、7月16日にポスター発表を行いました。

2023年末における日本の在留外国人数は340万人を超え、過去最高を更新しています。フィールドワークでは先行研究や調査では見えてこなかった在留外国人の抱える問題や課題が浮き彫りになり、多文化共生社会の在り方について深く考える機会となりました。

プロジェクト演習
プロジェクト演習

学生コメント

私の住む地域は、外国人労働者が多いこともあり、外国人児童のための勉強会の現状を知りたいと思いました。インタビューから、運営はボランティアで成り立っており、講師の人員確保や高齢化の問題、資金集めが大変だと知りました。また、日本語を教えるだけでなく生活まで多岐にわたるサポートしていました。現地に行って聞かなければ分からないことが多くあり、今後私たちができることを考えていきたいと思います。

国際教養学部3年 楠真拓さん(四街道高校出身)

私たちは、食の制限やヒジャブの着用などがあるムスリムへの教育現場での課題について伺いました。生徒の年齢が上がるにつれ宗教への理解と配慮は進むものの、特に小学校では先入観から配慮に欠ける言動が見られるようです。周囲の教育者や大人が適切な対応ができるように、大人にも子どもにも多文化教育が必要だと感じました。今回のように、実際に当事者と対話し理解を深めていくことが何より大事だと実感しました。

国際教養学部3年 小野寺里穏さん(多賀高校出身)

7月上旬まで上海立信会計金融学院に留学していたので、上海で日本に滞在経験のある方々に話を伺いました。特に日本では銀行口座開設が複雑で難しく、苦労したとのことでした。私たちは留学生だったからか中国で口座開設に特に難しさや問題を感じませんでしたが、2カ国比べてみると日本の方が条件が厳しいと思い、現状を再度調べて解決策を考えてみました。現地で生活してみなければ、生活習慣や文化の違いなどに気づけず、中国の方の大らかさや優しさに触れることもできなかったのだと思いました。

国際教養学部3年 舩山おとはさん(仙台商業高校出身)