商経学部根岸亮平准教授のゼミナールは、「アカウンティングコンペティション2024(第9回)」に参加し、「優秀賞」および「特別賞」を受賞しました。
アカウンティングコンペティションは、2016年に創設された会計学分野における大学生の研究発表大会(主催:アカウンティングコンペティション準備委員会)です。今大会では26大学、36ゼミナールから84チームのエントリーがありました。根岸ゼミナールからは3チームが決勝進出を果たしました。
2024年12月15日に決勝大会が開催され、チーム「かまぼこ」が実践的研究分野(遠隔方式)において優秀賞、チーム「横須賀」が学術的研究分野(対面方式)において特別賞を受賞しました。
優秀賞を受賞したチーム「かまぼこ」は予選で9大学と、決勝大会では専修大学、立正大学と競いました。
本研究では、"有価証券報告書においてどのようなマテリアリティ開示が行われているのか"という問題意識のもと、マテリアリティ開示を行っているすべての上場企業の有価証券報告書を対象に、開示項目や内容について調査を行いました。その結果、シングルマテリアリティによる開示が十分でなく、企業価値視点のマテリアリティ開示を充実させるべきであると考察しました。
特別賞を受賞したチーム「横須賀」は予選で8大学と、決勝大会では東京理科大学、成城大学、専修大学、中央大学と競いました。
本研究では、"いま学んでいる財務・会計の知識やスキルは、企業でどのように役に立っているのか"という問題意識のもと、上場企業すべての企業のスキル・マトリックスと業績データを対象に、スキル・マトリックスに記載されている財務・会計スキルの項目数や定義の有無などを抽出し、業績との相関関係について分析を行いました。分析の結果、財務・会計スキルは営業利益と正の相関が認められたものの、その他の業績と負の相関になっていることを明らかにしました。
- ※シングルマテリアリティ…環境・社会の課題が、企業活動やビジネスモデルに与える影響を重視する考え方
- ※スキル・マトリックス…各取締役の能力・知識・経験等を一覧表にしたもの
実践的研究分野遠隔方式 優秀賞
チームかまぼこ「有価証券報告書における「マテリアリティ」の開示実態」
商経学部商学科4年 津布久梨奈さん(大田桜台高校出身)
商経学部商学科4年 作山大剛さん(日立商業高校出身)
商経学部経済学科4年 齋藤翔さん(宇都宮商業高校出身)
学術的研究分野対面方式 特別賞
チーム横須賀「財務・会計スキルは企業にどのような影響を与えるのか」
商経学部商学科3年 星百華さん(郡山商業高校出身)
商経学部商学科3年 萩澤茜音さん(春日部共栄高校出身)
商経学部経営学科3年 今井樹生さん(諏訪実業高校出身)
商経学部経営学科3年 八柄光我さん(取手第一高校出身)
「マテリアリティ」という重要な概念が有価証券報告書においてどのように開示されているのか、実態を解明するための研究を行いました。分析過程では、1,064件もの有価証券報告書の調査に大変苦労しました。答えのない課題に取り組むことの難しさを多々実感しましたが、研究の奥深さや面白さを改めて知ることができました。チームで議論を重ね、自分たちなりの答えを導き出した結果、優秀賞を受賞できたことは、大きな喜びと貴重な経験になりました。
津布久梨奈さん
私たちはスキル・マトリックスと企業の財務パフォーマンスとの関連性を分析しました。最初は分析手法の選定に時間がかかり、試行錯誤が続きましたが、最終的には財務・会計スキルの定義が企業パフォーマンスに与える影響を明らかにすることができました。この研究を通じて、実務と学問がどのように繋がるのかを実感し、知識を深めることができました。今後、今回の成果をさらに深掘りした研究をしたいと考えています。
星百華さん