「第8回CUC地域連携フォーラム」(2/24)開催結果報告

社会・地域関連

2018年3月5日

第8回CUC地域連携フォーラムは、2月24日(土)、本館7階大会議室において「どう活かす? 地域資源」のテーマで開催しました。

このフォーラムは、市民や地域の関係者が一堂に会し、地域活性化に関する地域社会の情報共有と意見交換を行うプラットフォーム的な会合を目指して毎年実施しているものです。
開会冒頭、主催者を代表して、鈴木孝男地域連携推進センター長から挨拶が述べられるとともに、センターのさまざまな地域活動の取り組みについて報告がなされました。その後、メインテーマ「どう活かす? 地域資源」にアプローチしていくための各論として、学内外の関係者より次の4事例が報告されました。
事例報告のテーマ及び報告者は次の通りです。

  • (1) 石川県能登地方における地域資源利用事例
    大塚茂晃(商経学部専任講師)
  • (2) 房総ポークブランディングプロジェクト
    吉羽一之(政策情報学部専任講師)
  • (3) 船を活用した行徳のまちづくり
    水運ネットウォーク 田中祥一 氏
  • (4) 地域資源を活用した学び:地域を考え、地域に親しむ
    関口雄祐(商経学部教授)

以下に報告内容を簡単にご紹介します。

  • (1) 報告者の生活の地でもある能登地方の地域資源を里山里海から紹介。能登地方は、世界農業遺産の地であり里山里海が育む地域の特産品として葡萄畑とワイナリー、天然の河豚が紹介され、こうした能登の観光資源を活かすにあたっての地元住民の理解や協力、人材の育成と確保が不可欠であることなど、いくつかの課題が提示された。
  • (2) 全農千葉県本部・房総ポーク販売促進協議会からの商品普及販売促進活動の協力要請を受けて、政策情報学部の赤松ゼミと吉羽ゼミが協働で参加協力。ゼミ活動として農場視察や意見交換会、合同ミーティング、商品の知名度向上に向けたイベントでの模擬店出店とアンケート調査を踏まえた分析等、活動と成果が紹介された。
  • (3) 報告者は約10年前より市川市に居住。川が好き(運河、水路、堀)であり、これまでに歴史散歩の会なども主宰してきた。報告者は行徳の歴史、文化に着目して、昨年5月には、行徳の歴史・文化財への関心を高めてもらうための舟運イベントを、地元住民のボランティア協力を得て開催し、大変に好評であった。旧江戸川の賑わいと舟運復活への地元住民の声を踏まえた今後の行徳でのかわまちづくり構想と展望が紹介された。
  • (4) 報告者のゼミ活動の一環として、大学の周辺地域を知るために、「環境、生態、歴史(周辺地域との関連)、行政管理(法的制限、防災面、予算など)」の側面からのグループワークによる文献調査・現地調査活動を経て、学生自らが調査、発見した点に基づいて考察した問題提起と改善策等が紹介された。

その後、鈴木センター長のコーディネートのもと、報告者4名が参加してフロアとの意見交換が行われました。地域の方々やNPO団体など、約60名の参加者が登壇者の発表やフロアからの提案等に熱心に耳を傾けました。また、今回のテーマに沿った新企画として、地域資源として紹介した地域の特産品(能登ワイン・河豚糠漬・房総ポーク加工肉・行徳海苔など)の紹介と販売会を実施したところ、まだ認知度が低くめずらしい商品もあることから、多くの来場者に関心をもっていただきました。

参加者からは、地域社会のニーズや課題解決に向けた本学のさまざまな取り組みについて、高い評価をいただくと共に、大学の社会貢献活動に対して更なる期待の声も聞かれました。本学は地域密着型大学として「地域が頼れる大学」「地域と共に生きる大学」を推進していくために、地域と共に学び・相互にふれあい・協働していくことを確認して本フォーラムは閉会しました。

第1部第2部パネリスト

フォーラム参加市民の声(一部抜粋)

  • 地域住民として、商大を利用している人はまだ少ないと感じる。商大には、市民が何かを始めるに際して、やり方や仲間を集めたいという人が気軽に相談できる場所になって欲しいと思う。(市内40代男性)
  • 「人が学ぶ環境」と「人を活かす環境」は重要な資源です。その「人」が地域資源を活性化させ、このサイクルが地域資源の歴史を作っていくと感じました。(市内50代男性)
  • 市川市では、今後、会社等の退職者が多くなることが見込まれます。もう一度大学で勉強したいと思っている人が多いと思いますので、一般教養的な講座も開催して欲しい。大学は地域資源だと思います。(市内60代男性)