教員コラム

政治・経済・IT・国際・環境などさまざまなジャンルの中から、社会の話題や関心の高いトピックについて教員たちがわかりやすく解説します。

地域・暮らし

変化する制度への心構えと高齢期の住まい方を考える情報資料

イメージ家計

平成になってから、要介護期への対応は急速に行われてきました。そのため制度の整備に懸命で、利用者の視点が十分とはいえず、またわかりにくいものとなっています。また、制度維持に費用がかかることがわかり、制度の見直しも始まっています。
こうしたことから、制度に頼りきって、老後の暮らしや住まいを考えるのではなく、自分自身で展望を切り拓くことが重要です。その場合は、それ以前の生活環境を大きく変えない、同じ日常生活圏域にある高齢者住宅等に住み替わって、より大きな安心を確保します。制度に振り回されるのではなく、地域の仲間と、地域力、仲間力を高めることで、充実した老後が約束されるのです。

現在、高齢者のための住まい対策は、国土交通省と厚生労働省が協力して対応しています。このWEB資料は、国土交通省が創設した高齢者住宅関係の情報を提供している一般財団法人高齢者住宅財団の「高齢者の住まいハンドブック」を現状制度に対応した形に修正する形で作成しました。

厚生労働省ホームページでは、利用者が介護保険サービスの選択できるように、19万か所の「介護サービス事業所」(介護保険法に基づいて在宅、通所、施設でサービスを提供する事業所)の情報を「介護サービス情報公表システム」という形で提供しています。法人情報、所在地、運営方針、サービス提供地域、営業時間、定休日、サービス内容・特色、利用料等、利用者の状況、従業者の状況、、事業所の写真、動画 、定員に対する空き数、利用者の特色、職員の特色、併設サービスなどがまとめて閲覧できます。また「運営状況」で、事業所運営にかかる各種取組状況、組織の管理、マニュアル等の整備状況が閲覧でき、最大30件の事業所まで、公表内容を比較することができます。

こうした情報を活用して、安心できる老後を考えていただけるとありがたいと思います。

高齢期の住まい探しフロー図~あなたの考えを整理しましょう~

最後に、高齢期の住まい方についてご自身の希望を整理して大まかな見当をつけてみましょう。あなたはそのままご自宅で暮らし続けたいですか? それとも住み替えますか? 住み替える場合、その時期は介護が必要になってからですか? それともお元気な時ですか?
住まい探しのフロー図を参考にあなたに合う老後の暮らし方を考え、備えるきっかけになればと思います。

高齢期の住まい探しフロー図
高齢者と住まいの概要

解説者紹介

教授 吉竹 弘行
ADOBE READER