学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

皆さん、こんにちは。
日本の各地で甚大な被害をもたらす豪雨が続いています。これまでのコラムでも触れてきましたが、地球温暖化による影響で異常気象が頻発し、我々は日常の延長上に「これまでに経験したことのないような」という言葉を幾度となく耳にするようになりました。台風15号、さらにそれを上回る勢力の台風19号と続きましたが、地球温暖化によって海水温が上昇すれば、より強い勢力の台風が発生する可能性もあります。温暖化は自然環境そして人間社会に著しい脅威となっています。我々一人ひとりが省エネへの意識を今一度見直し、行動する。本学は引き続き、「自然エネルギー100%大学」への取り組みで、温暖化対策の実現性を示し、そのネットワークを拡げたいと思います。

「再エネ100宣言 RE Action」

RE Action

10月9日(水)にグリーン購入ネットワーク(GPN)、イクレイ日本(ICLEI)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が、再エネ100%利用を促進する新たな枠組み「再エネ100宣言 RE Action(アールイー・アクション)」イニシアティブを発足し、本学は大学機関として第1号の参加団体となりました。

「RE Action」は、日本国内の自治体・教育機関・医療機関等および消費電力量10GWh未満の企業等を対象としたイニシアティブで、使用電力の再生可能エネルギー100%化に向けて、共に行動を示していくものです。参加要件には遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換する目標を公表することなどが挙げられています。

世界では、使用電力を100%再生可能エネルギーに転換することを宣言するRE100の認知が高まっていますが、RE100に参加できるのは「消費電力量が10GWh以上の企業」に限定されています。様々な電力の需要家となる団体が、その規模に関わらず参加できる新たなイニシアティブを求めていたと思います。

ご存じの通り、本学は、2017年11月にメガソーラー野田発電所を中心とした本学所有の太陽光発電設備での発電量(FIT売電と自家消費)と、大学の消費エネルギーの総量を同量にする環境目標を宣言し、2019年1月には発電量が消費電力量を上回り、電力生産での自然エネルギー率100%を達成しました。2020年度には、第2の目標としてガスを含めたすべての消費エネルギーに相当する発電を行うことを掲げて全学で取り組んでいます。さらに、2019年8月からは、本学の主要キャンパスで使用する電力も、すべて再生可能エネルギーへ切り替えています。

この度の「RE Action」は5年後に1万団体の参加をめざすということですが、我々もこの参加を通じて、再エネ100%社会への輪を更に拡げる機会にしたいと考えています。