学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

この度、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々には、謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。

皆さん、こんにちは。大学生活の集大成である3月になりましたが、本学では、3月20日(金・祝)に予定していた2019年度の学位記授与式について、新型コロナウイルスの昨今の情勢を鑑み、安全配慮と感染拡大防止のため、中止にする苦渋の決断をしました。卒業生・修了者の皆さんへ大切な式典を行うことができなかったことは、学長としても大変残念な思いです。また、ご子女のご卒業を迎えるにあたり、これまで支えてこられ、ご卒業を心待ちにされていた保護者および関係者の皆さまのお気持ちを考えると断腸の思いでありました。20日は感染拡大を防止するため、学位記の交付のみとし、構内に入る時間を学部や研究科ごとに分け、卒業生の皆さんが学内にいられる時間も制限せざるを得ませんでしたので、名残り惜しかったと思いますが、大学に来ることが出来た学生は、久しぶりに会う友人や先生方と僅かでも言葉を交わすことができたようです。皆さまのご理解、ご協力に感謝します。

今年の学部卒業生は、商経学部が784名、政策情報学部が121名、サービス創造学部が206名、人間社会学部が113名、国際教養学部が57名、計1281名。大学院の修了者は、修士の商学研究科が14名、経済学研究科が5名、政策情報学研究科はおりませんでしたので、計19名が修了しました。専門職学位課程である会計ファイナンス研究科は55名です。さらに、この3月期の博士課程修了者は2名、大学院全体では76名に学位が授与されました。皆さん、多くの困難を乗り越え、この好き日を迎えることができました。勉学や学生生活を指導してきた先生方、それを支えてきた事務職員の方々、そして、何よりも本学における勉学の機会を作り、物心両面で支援をしてくれたご家族など、皆、嬉しい日を迎えることができました。

今回、このような状況において、式典はできませんでしたが、皆さんの素晴らしい人生の門出を心から祝福し、新たな旅立ちにあたり、はなむけの言葉を動画でお送りしました。卒業おめでとうございます。

さて、日本時間の2月18日夜、本学は環境問題に取り組む高等教育機関の国際的な3機関(※)が発出した気候非常事態宣言の文書(Higher and Further Education Institutions across the globe declare Climate Emergency)に、日本の大学として初めて署名をしましたのでお知らせします。全世界の大学では252番目になります(https://www.sdgaccord.org/climateletter)。
この文書では、学生とともに危機に対処するため、次の3つの計画に着手することとしています。

  1. 遅くとも2030年または2050年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロ)になることを約束する。
  2. 気候変動の研究と能力開発のためにより多くのリソースを動員する。
  3. 学内はもとより地域・社会に向けても、環境教育や持続可能性(サステナビリティ)教育の提供を増やす。

この共同宣言を主導する機関のひとつである国連のUNEPは、2019年7月10日に「6大陸の7,000以上の高等教育機関が、気候非常事態の共同宣言に合意した」ことを発表しましたが、このたびの本学の署名は、同宣言への合意を表明した形となります。署名にあたり、本学はカーボンニュートラルへの目標を2025年としました。本学では既に、2019年9月に「SDGs行動憲章」を策定し、翌10月には「激化する気候変動に対する緊急メッセージ」を発出しています。日本初の自然エネルギー100%大学として、気候変動対策を積極的に研究・実践し、引き続き、国内外に向けて自然エネルギー100%社会の構築に向けて活動していきます。

※EAUC(Environmental Association for Universities and Colleges(大学環境協会、イギリス)、高等教育気候行動推進団体「Second Nature」(アメリカ)、国連UNEP(United Nations Environment Programme(国連環境計画)の「Youth and Education Alliance」