学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

この度、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々には、謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。

学長コラム5月

皆さん、こんにちは。
新年度がスタートしましたが、今年は新型コロナウイルスの感染防止のため入学式ができず、皆さんへ送るメッセージはビデオによる学長式辞となりました。皆さんの希望に燃える顔を見ながらお話ができなかったことは、まことに残念です。
最近、本学の人気はうなぎのぼりです。今回は1,410名の募集人員に対して、1万3千名を超える志願者がありました。一部、重複はありますが、このような高い倍率のなかで合格をした皆さん、しっかりと学んでください。

授業は、新型コロナウイルス対策のため、5月の連休明けからの開始となりました。学部は5月11日から、大学院は5月9日からです。そして、全ての授業をオンラインによる遠隔授業で行います。全13回の授業をシラバスに沿った内容で行い、教育の質を確保します。そのため、教職員は連休返上となり大変でしたが、準備が整いました。

新入生諸君は、授業開始が5月の連休明けへとずれ込み、大学生になった実感がわき難いかもしれません。キャンパスにも入れないし、先生方にまだ会えず、新しい友人も作れない。私たちもこの状況を大変残念に思いますが、この試練を乗り越えてください。本学では、情報化社会に対応するべく、今年の新入生からPC必携化としました。幸い、これによって新入生諸君はオンラインによる遠隔授業が効果的に行えます。この機会を、むしろチャンスととらえてネットを使いこなせるようにしてください。

皆さんのネット環境整備の支援として一律1万円を支給することは既にお知らせしましたが、政府は緊急事態宣言を5月末まで延長しましたので、修学支援のために本学はさらに4万円を増額します。その結果、合わせて5万円の一律支給となります。また、一部の学生はアルバイト収入が激減したことと思います。そこで、アルバイト収入の減った学生には別途、最大4万円の経済的支援を行います。給付条件等の詳細は、後日CUC PORTALを通じてお知らせします。

このように、皆さんの不安を減らすべく大学も努力しています。皆さんには安心して勉学に努めてもらいたいと思います。

大学での学び

学長コラム5月

新年度のスタートに当たり、新入生だけでなく上級生の諸君も含め、皆さんに改めて申します。大学での学びは、上から与えられるものではなく、自らつかんで行くものです。自らの判断で勉学を進めてゆく。大学には沢山の授業が用意されており、学部や学科ごとに必修科目がありますが、それ以外の選択科目は皆さんの判断で選びます。履修登録を終えた今、皆さんはどんな考えで科目を選択しましたか。1年生の授業は基盤教育科目が大半ですが、それは、大学教育で大切な判断力養成の基礎となる、幅広い教養を身につけるために重要なものです。大局的な見地からものを見て、時代の変化を捉える力を養うには、それぞれの授業から何を学ぶか。上級生諸君が本格的に学んでいる専門科目においても、この視点が大切です。

皆さんは1週間のうち半分程度の時間は既定の授業時間割に従って学び、それ以外の時間は、皆さん自らが勉強する時間です。これは苦労もしますが、自由があって楽しいものです。授業の予習、復習を行う、個々の授業により、バランスは異なりますが、予習、復習を必ず行う。通常のようにキャンパスに入ることができれば、図書館や1号館1階のラウンジ、University Hub、University Diningなどのスペースで友人らと共に学べます。しかし、今年の春学期は、自宅等の学外で自主的に予習、復習をすることになります。そこで、強い意志力が必要となります。

時間を管理する

そのために最も重要なことは、授業時間外での学習プランをきちんと作り、そのプランで決めた時間を守る。すなわち、時間管理をしっかりとすることです。これは簡単なことではありませんが、皆さんの人生にとって大きな力となります。時間管理は、社会に出てからは特に大切になります。それを大学生活で学んでください。

まず、朝寝坊をせず、規則正しく生活をする。この春学期はオンライン授業ですから、皆さんはパソコンの前に座るか、スマホを勉強机の上に用意して、授業開始の時間の5分前にはスタンバイしている。これを心がけてください。この「5分前」が習慣になると何が起きるか。日常生活では、友人など皆から信用されるようになります。逆に、時間に遅れてばかりいると信用はなくなります。時間を守る訓練をしてください。そのためには、まずしっかりと生活時間のプランニングをすることです。

判断力と表現力

大学で学ぶということは何か。知識や技能を習得することが基本ですが、それを活かし問題解決する力を養うことです。経営者や専門家を輩出している本学では、問題解決にあたり的確な判断ができる力をつけることを重視しています。それには、高い倫理観が必要です。何が正しいかを倫理的に考える。人に迷惑をかけない、真っ当なビジネスが大切です。

そして、判断したことを実行するには他の人とのコミュニケーションが必要です。そのためには言葉を正しく使えなければなりません。言葉の意味をしっかり捉える。皆さんは専門家としての基本的な知識と技能を身につけ、しっかりとした言葉を使えるような人になってください。そのうえで、豊かな表現力が求められます。

学長コラム5月

大学は多様なコミュニケーションができる素晴らしい場です。新型コロナウイルス問題が収束するまでは、大学に来ることはできませんが、オンラインによる遠隔授業でもコミュニケーションは取れます。今学期はオンラインで先生や学生と出会い、沢山のコミュニケーションをして、学びを深めましょう。制約はありますが、遠隔授業でどう上手なコミュニケーションを取れるか挑戦して下さい。講義では先生が情報を提供してくれますので、それに対して皆さんが考え、答えて行く。リアルタイムでない授業であってもメールやCUC PORTALを通じてコミュニケーションが取れます。疑問があれば、どんどん積極的に質問をしてください。これは、新型コロナウイルス収束後の世界における新しい学習様式を、先生と共に作ってゆく機会でもあります。

新入生諸君も上級生諸君も、皆さんは自由に勉強する環境を与えられました。これは、ご家族や保護者の方からの支援があるからです。常に感謝の気持ちを忘れず、学ぶことを楽しんでください。