人生の満足度を高め、実務と研究を架橋する力に

酒向浩二さん

2021年3月学位取得
酒向浩二さん

本学への進学を決めた理由を教えてください。

メガバンクシンクタンク勤務時代、大学教員になるために学位取得の必要性を痛感し他大学の博士課程に進学しましたが、社会人受入態勢の不十分さから研究が停滞し中退。しかし研究を続けたい強い思いから千葉商科大学大学院の説明会に参加し、社会人を支える柔軟な体制と通学・ゼミ形式の学びやすい環境に惹かれ入学を決意しました。在籍前の査読論文も評価対象となる制度も魅力であり、実務と研究を両立できる最適な環境と感じ選びました。

本学での研究内容を教えてください。

メガバンクシンクタンク勤務時代に10年以上取り組んだアジア諸国の産業振興策と日本企業の展開可能性の共同研究を基に、各国の産業政策パターンの法則性をヒストリカルアプローチで分析。周辺国への影響も現地調査を通じて検証し、実務と研究の架橋を行いました。千葉商科大学大学院ではこれらを発展させ、実務の中で蓄積した知見を研究成果として整理し、学術的価値の高い論文へと昇華させることを目指しました。

在学中に苦労したことは何ですか?

先行研究レビューで多量の国内外文献を精読する必要があり時間との戦いでした。また博士論文では新規性が求められ、既存研究で未解明のテーマを見つけて立証する作業に苦労しました。しかしこれらを乗り越える過程で論理的思考力と分析力が鍛えられ、実務の現場でも活用できる知的基盤を構築できたことは大きな収穫でした。

博士号を取得したことで、ご自身の仕事や生活に変化はありましたか?

博士号取得後は大学教員へ転身し、自身の視点で社会課題への意見発信が可能になりました。現在は「トランプ時代の国際経済×国際経営」を専門に掲げ、企業訪問や学会発表を継続。実務側は関税問題、アカデミア側は米国の権威と移民政策が関心領域ですが、両者をつなぐ架橋役として活動できるようになった点が大きな変化です。

受験を検討している方たちへメッセージをお願いします。

人生は思ったより短く、研究の挑戦を先送りできません。千葉商科大学大学院は社会人の専門性を尊重しながらも、アカデミアの厳密な基準で研究を指導してくれる場です。社会人の常識は通じず、学び直しの覚悟は必要ですが、それが人生の満足度を高め、実務と研究を架橋する力になります。挑戦したい方に心からお勧めします。