メディア表現系ゼミ卒業制作

学びの集大成、個性溢れる作品の数々

政策情報学部 楜沢順教授(専門:西洋美術、油彩、版画、メディア芸術、コンピュータグラフィックス、アニメーション、映像)、吉羽一之准教授(専門:グラフィックデザイン、タイポグラフィ、組版設計)、後藤一樹准教授(専門:映像社会学、映像制作、ライフストーリー研究)のゼミナールでは「芸術・メディア・表現」を研究テーマに、学生たちがイラストレーション、映像、音楽、グラフィックデザインなど、さまざまな表現の技術と手法を学んでいます。大学4年間で培った表現の技術と手法を生かし、思いを込めて制作した作品は個性溢れるものばかりです。

2023年度「卒業制作展」作品紹介(抜粋)

期間:2024年2月21日(水)~27日(木)
会場:木内ギャラリー(千葉県市川市)

「生活しやすい住空間」

「生活しやすい住空間」

山田里桜
(福島商業高校出身)

身長差のある夫婦が無理なく快適に生活を送るために、家財の寸法やデザインを工夫したものがあればいいのではないかと考え、実際に寸法を計算し、イメージを模型で表現しました。「建築の模型」というと難しいイメージになりやすいので、あえて色使いは明るくポップに、曲線を多く取り入れ親しみやすくする工夫をしました。模型を組み立てるのに苦労しましたが、この模型を見て「生活のしやすさ」を多くの人に知ってもらえたらと思います。

「ジェンダー表現を用いたスカーフデザイン」

「ジェンダー表現を用いたスカーフデザイン」

芝元摩莉亜
(愛国高校出身)

私はテーマをジェンダーにしようと決めて研究をしていく中で、スカーフが昔、情報伝達の手段として使われていたことを知り、これを組み合わせて自分が伝えたいジェンダーを知ってもらえたらと思いデザインをしました。5つのスカーフにはそれぞれテーマがあるので、見た人が「これはどういう意味があるんだろう」と疑問に思い調べることによって、ジェンダーを考えるきっかけになればと思います。

3Dアニメーション「TURNER」

3Dアニメーション「TURNER」

染谷泰輝
(柏の葉高校出身)

「惹きつけられる映像づくり」を研究テーマに、その要素やカット割り、画づくりを意識し、ワクワクできて楽しんで観てもらえる作品をめざしました。テーマは「強盗団」で、自分の好きなもの、面白いと思うことを詰め込み、また2022年の「東京国際プロジェクションマッピングアワード」、講義で制作した障害物避けゲームのキャラクターを登場させて、本学で学んだことの集大成、過去作へのリベンジとして、一つの映像を制作することができました。

花巻温泉プロジェクションマッピング「秋・冬」

花巻温泉プロジェクションマッピング「秋・冬」

辻美羽子
(屋久島高校出身)

花巻温泉の旅館でお客さまに楽しんでいただくために、花巻の風景と四季をテーマにプロジェクションマッピングの制作を行いました。釜淵の滝を舞台に宮沢賢治の世界観をファンタジーとして取り入れた約2分間の映像です。大画面を生かした迫力と、隠し要素の面白さ、幻想的な画作りで老若男女問わずワクワクと癒しを提供したいと試行錯誤を重ねました。実際に企業の方々やお客さまに自分たちの制作物を見ていただく、貴重な経験ができました。

映画「扉を開けない少年」

映画「扉を開けない少年」

齋藤美斗
(九十九里高校出身)

不登校だった時の自身の経験と、大学2年時から3年間取り組んできた不登校支援の経験を生かし、「ひきこもり当事者の世界」を題材とした劇映画を制作しました。不登校支援の中で気づいた当事者とその家族一人ひとりが孤独である状況と、そのなかでも人間関係がゆらめく光のように微細に変化していくさまを表現することによって、映像作品を通じて当事者の方々への理解が深まるように演出・撮影・編集を行いました。

映画「光芒」

映画「光芒」

中島美咲
(本学付属高校出身)

高校時代から20歳までの短い時間を生きる主人公ふたりの「想い」を演出するために、カメラの構図や照明、環境音にこだわるだけでなく、ふたりがアドリブで演じる演出を入れて、「間(あわい)」に流れる空気感や時間感覚を生み出しました。また一眼フィルムカメラや写真、衣装の白いワンピースを生かしつつ、ふとしたセリフによって物語の伏線を引き、だんだんとふたりの関係の意味合いが分かるよう工夫を施しました。これによって観客が登場人物たち同様に、20歳前の揺れる「想い」に共感できる映画に仕上がったのではないかと考えています。

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