2018年度 審査員推薦賞

栄村で映画を撮りませんか?

受賞者

長野女子高等学校
津久井里奈さん、小林寧巴さん

地元再発見

栄村は長野県の最北端に位置する人口2,000人の山村である。2011年3月12日にマグニチュード6.7の地震に襲われ、村は壊滅的な被害を受けたが、前日に発生した東日本大震災の報道に埋もれ、「忘れられた被災地」と呼ばれるようになった。村を活性化するため、栄村に「映画のロケ地を誘致すること」を提案する。

地元活性化の方法

栄村は山深く隔絶された栄村独特の雰囲気があり、日常とは違うところに来たような感覚になり、映画など物語の世界にぴったりである。映画のロケ地として誘致に成功すれば、栄村を知ってもらうきっかけになり、観光客や移住者の増加が期待できる。映画のロケ地を巡る「聖地巡礼」は国内外における観光の目玉となっており、個人の旅行者だけでなく、旅行会社のツアーに組まれることも近年多くなってきた。加えて、栄村での伝統的な暮らしを映画に取り入れることが出来れば、海外からの観光客に興味を持ってもらえる可能性が広がる。栄村を売り込むため、栄村の魅力や村での暮らしを想像できるようなオリジナル仮想映画の予告編を制作した。動画の中には村の伝統的な祭りの映像や、特産のトマトに特化した内容を盛込んでいる。こうしたロケ地誘致の観光ビジネス(ロケツーリズム)を通じて、栄村を活性化し、栄村の抱える課題を解決していきたい。

講評または受賞にあたってのポイント

ロケ地になったことがないプランでは、なぜロケ地として選ばれないのか、その理由をPR不足など、多様な面から検討し直し、提案者たちの足で栄村という地元の良さを再発見しているところが良かったと思います。また、栄村がトマトの産地であるという点に着目したPR動画を作成している点もこの提案の優れていると思います。また、震災からの復興だけでなく、それに伴って生じている社会的課題にまで眼を広げた点も評価に値します。ただし、トマトをPRすることが、どのように映画のロケ地として選ばれる理由になるのかについての提案がなされていると、より良いプランとなったことでしょう。

2018年度 最優秀賞 2018年度 優秀賞