2019年度 優秀賞

源平合戦の歴史伝承を体験するツアー

受賞者

金光学園高等学校
吉實沙希さん、渡辺陽さん、和田雄喜さん

地元再発見

岡山県笠岡市には、源平合戦の史跡や言い伝え、平家の落人伝説が多く、源平合戦に関連する様々な伝統文化が残されている。そこで、この伝統文化や行事を体験できる、「源平合戦歴史伝承ツアー」を企画し観光客増加を見込む。

地元活性化の方法

  • 再発見[1] 白石踊
    源平合戦の死者の弔いを起源とした踊りであり、13種類の踊りが舞われるのが特徴。800年続く伝統文化で、国の指定重要無形民俗文化財に指定されているものの、後継者不足が問題になっている。そこで、地元の高校生が踊りを覚えて後継者となり、笠岡市役所のWebサイト等でPR活動を行う。そして、ツアー参加者に踊りを覚えてもらい、重要無形民俗文化財の伝承者になってもらう。
  • 再発見[2] ひったか
    「ひったか」は堤灯で絵模様を描く祭りで、笠岡市重要無形民俗文化財に指定されている。平家方が大規模な篝火をたいて大軍を装い、迫る源氏方を退散させた故事にちなみ、「火を高く焚く」が語源となった。ツアーでは、行者山(源氏方)と妙見山(平家方)に300~400個の堤灯で絵柄を描き、双方で絵柄を競い合う様子をツアー参加者に鑑賞してもらう。
  • 再発見[3] おしぐらんご
    「おしぐらんご」は2艘の和船で競漕する行事で、こちらも笠岡市重要無形民俗文化財に指定されている。源氏方(白)・平家方(赤)に分かれ、それぞれの組の和船に6人ずつ乗り込み、金浦湾沖合から陸を目指して先を争う。ツアー参加者には、シーカヤックにて本行事を疑似体験してもらう。

このほか、笠岡名物「笠岡ラーメン」を食べたり、白石島の美しい夕陽を楽しめる国際交流ヴィラに宿泊したりという笠岡市の名所・名物を堪能するツアーを企画し観光客を誘致することで、地元活性化に繋げる。

二次審査映像資料

講評または受賞にあたってのポイント

白石踊、ひったか、おしぐらんご、食といった、複数の地元の資源について、丁寧に調べ上げ、推敲を重ね、しっかりと説明していた点が、何よりも好ましく、優れていました。
また、これらの資源を知ってもらうために「体験型ツアー」を提案した点も優れています。しかも、A地点に行ったら次はB地点へ、と単に繋げたのではなく、「源平合戦」という中心的コンセプトを明示したのが秀逸です。加えて、昨今、「情報発信はSNSで」という提案が判で押したように出てきますが、安易な考えに頼らず、「バーチャルアイドルで情報発信」するアイディアも素晴らしく、さらに、実行可能な道筋をつけているのに驚きました。
さまざまな点が丁寧に考えている本当に素晴らしいビジネスプランでしたが、あえて難点をいうならば、ターゲットが不明瞭な点が挙げられます。誰のどのようなニーズを満たすのかを明記するとさらに良くなると思います。また、参加者が払う費用についての考察があっても良かったかもしれません。

紙ごみでつくるオリジナルの芸術

受賞者

東京都立千早高等学校
大岩眞己さん

地元再発見

文京区には紙の卸売り業者や、大学、出版社などが多くあり、まさに「紙のまち」である。また、夏目漱石をはじめとし、多くの文豪も愛した文化的な町でもある。そこで、この「紙」と「文化・アート」を活かし、紙ごみを利用したアート教室を開催する。

地元活性化の方法

まず、紙ごみを地元の教育機関や区民センターなどから回収する。次に、文京区内にある大江紙業株式会社にて、紙ごみを作品の材料とするアート教室を開催する。本企業は町内会のイベント会場として社内のスペースを貸し出しするなど、地元に密着した会社であり、本企画の実現にも前向きに賛同してくれている。アート教室では、鶴や星など、正方形ではない紙や端切れの紙でも簡単に作れる作品をレクチャーし、参加者に作って遊んでもらう。
紙ごみの回収方法から開催場所まで既に確認できているため、紙ごみを利用したアート教室の開催は実現性が高い企画であり、また、開催場所も最寄駅から徒歩5分内とアクセスが良いことから人の集客が見込めるだろう。宣伝もシンプルなSNSでの発信だけでなく、大江紙業株式会社などの地元に協力を得た方法で行えることから企画の成功率は高いと考える。

二次審査映像資料

講評または受賞にあたってのポイント

紙という私たちの生活に身近なものを材料とした地域活性化の提案は、本コンテストの趣旨に合致しています。そして、文京区は教育や文化が充実し、夏目漱石や森鴎外も暮らした紙のまちであると言い表していますが、それは紙に文化的、歴史的な意義を与える斬新な見解であると評価しています。また、最近のペーパレス化により紙の需要が減少傾向にあるなかで、アートと組み合わせて紙の良さをあえて再考しようとする姿勢はとても興味深く、紙ごみを単なるリサイクルではなく、アート作品として新たな光をあてた点も素晴らしいです。
プレゼンテーションに関しては、映像と音を組み合わせ、視聴する者に効果的なインパクトを与えるように工夫されていた点が評価できます。内容については、紙ごみを再利用した折り鶴や星の作り方を実演してみせることで、提案する紙ごみアートとは何かについて正しい情報が伝えられると評価しています。
もう少し工夫してほしかった点としては、紙ごみアートがどのような形で文京区の振興、発展につながるのか手段だけでなく予想される結果も明らかにしてくれるとなお良かったと思います。

2019年度 最優秀賞 2019年度 審査員推薦賞