近現代社会研究
社会問題と聞いて、どんなことをイメージしますか? 自分には関係ないことなんて思っていませんか? 社会問題は私たちの身の回りにたくさん存在しています。情報社会ではSNS上のトラブルが話題になることも少なくなく、ブラックバイトなども大学生には身近な問題だと思います。私たちは、身の回りで起きているさまざまな出来事に対して問題意識を持つこと、そして、その解決に自ら関わっていくことも必要です。
このゼミナールでは、社会問題の事例を社会学的概念とキーワードを手がかりに学び、社会を見る目を養います。
学びのステップ
卒業研究(4年次) | 個人研究を深める! 3年次に設定した研究テーマで卒業論文を執筆する。春学期は目次の作成と文献消化、夏休みは調査・分析、秋学期から執筆を本格化する。 |
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ゼミナールII(3年次) | 社会問題に対する意識を高める! 文献やメディア作品の分析から読解力や表現力を高め、社会問題に対して自分の持つ問題意識を発表する。4年次に取り組む個人研究のテーマを定める。 |
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ゼミナールI(2年次) | 社会問題を理解する! 社会問題を扱ったさまざまな文献やメディア作品を通じて、社会問題の理解に必要な基礎概念を身につける。 |
現代社会の問題に関心を持ち、公務員の道へ
4年生の繋孝明さんは青森県八戸市の出身。卒業後の進路として公務員をめざし、地元の八戸市役所に内定しました。
もともと地元に戻って働くことを希望していた繋さん。社会の問題を扱う権ゼミでの学びを通じて、地方の課題を見つめ直したり、また、社会に存在する多様な考え方や価値観に触れながら、社会の合意形成の進め方などに関心を持つようになりました。
若い世代が活躍できる社会づくりに役立ちたいという目標に向かって、大きな一歩を踏み出そうとしています。
若者が活躍できる地方社会をめざし、問題解決の前進へ
ゼミ活動を通じて社会に目を向けていくと、いろいろな問題があることが分かります。でも、それはとても複雑に絡み合っていて、解決したくても思うように前に進んでいかないことが多いんですね。また、私が特に関心を持ったのが「共生社会」です。障がいの有無、性別や文化的背景の違いなどがあっても、平等な機会が与えられる社会であることが大切だということも学びました。解決すべき問題を提起し、具体的な解決策を考え、実行するのは行政の仕事。自分もそれに関わって、少しずつでも問題の解決を前に進めていきたいと思い、公務員をめざしました。
地元の市役所を希望したのは、高校卒業後、地元を離れて大学生活を送る中で、帰省するのがいつも楽しみだったこと。私には素直に「帰りたい」と思える場所でした。もう少し先の未来を思い浮かべてみると、結婚や子育てをする環境の良さがあると思います。例えば、都市部では「待機児童」が問題となっていますが、地方では違います。一方、少子化が進み、ただでさえ少なくなっている若者が地元に定着しないのは地方の大きな課題ですよね。私の周りでも、一度地元を離れてしまうとなかなか戻ってこないのは、若者が望む仕事や刺激が少ないという現実があります。そういうところで、若い世代が活躍できる社会を作っていくことに私は興味を持っています。社会ではいろいろな面で他者との違いや差を少なからず感じることもあると思います。「教育格差」「貧困の連鎖」などが問題になってますが、若い世代、子どもたちがどこにいても等しく情報が行き届き、平等にチャンスが与えられることが、解決の一歩になるような気がしています。具体的には「子育て支援」などに関われたらいいなと思っています。
私は大学に進学した4年間で外の世界に触れることができました。考え方や価値観というのは本当に人それぞれだということも分かりましたし、人を理解できるようになれた気がしています。もし地元を離れる機会がなかったら、固定観念に縛られていたかもしれません。これから公務員として、地元のさまざまな課題に取り組んでいくことになりますが、解決策に最初から正解なんてないと思います。それよりも多様な意見をまとめ、合意形成をどう図るかが重要なのではないでしょうか。その合意に基づいて前に進めていく行政の立場で、地元に恩返しをしていきたいです。
どんなゼミ?
「大学は勉強に来るところ」だということを実感するゼミです。ゼミの時間以外での読書や調べものもたくさん必要ですが、それだけ知識が身についていくことは間違いありません。みんな真面目だし、グループワークも多いので、ゼミ生同士で話し合い、議論する時間も長いと思います。でも、難しいことばかりでもありません。ゼミでの勉強の入口は、社会の問題をテーマとした映画などメディア作品を見て、分析することから始めるので、取りかかりやすいですよ。
教員の声
ゼミを選ぶ時、楽かどうかを基準にする人もいるかもしれませんが、私のゼミは自分でも厳しい方だと思います。大学のゼミは勉強して当たり前。時にはあえて高いハードルを課すこともあるし、負荷をかけることもありますが、与えればそれを乗り越えようとします。ゼミ以外の時間も勉強や調査に使うことが多くなりますが、きちんとスケジュールを立てて行動し、きついと思えることも1つ1つクリアしていくことで、学生たちはどんどん成長してきました。新聞を読むこともその1つですが、繋くんはどれも本当によくこなしていました。ゼミの課題、授業、公務員試験の勉強と、詰め込んだ時間を過ごすのも学生時代には必要なことではないでしょうか。繋くんと同学年のゼミ生は社会問題に対する関心も高く、ハードなテーマで卒論に取り組んだことが印象深いです。
ゼミでは個人の研究はもちろん、グループワークもたくさん取り入れています。自分の世界を持つことは大切ですが、それを人と共有できることはもっと大切だと思います。自分の考えを伝えること、そして、異なる考えも理解して、グループとして1つにまとめていくことは、社会のさまざまな場面で必要になってきます。養った力を社会で存分に発揮してもらいたいと願っています。
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